メジャーのキャンプも始まり、日本人選手の動向も伝えられるようになった今日この頃。今年は、はじめてメジャー契約する日本人選手がいまのところ不在で、これはなんと19年ぶりだという。
そんな中、これまでとはちょっと違うシーズンを迎えられそうなのが、トロント・ブルージェイズに在籍する「永遠の野球少年」川?宗則である。
◎トロント・ブルージェイズの二塁手事情
今年も現時点ではマイナー契約。メジャーリーグでの試合出場が約束されているわけではない。それでも、過去3年とチーム事情が異なり、開幕からベンチ入り、あるいはスタメン出場の可能性もなくはないのだ。
昨年は故障者が相次ぎ、二塁手を固定できなかったブルージェイズ。そこでチームは、鳥谷敬(阪神)の獲得に意欲を見せていた。しかし、年俸などの条件面で折り合いがつかなかったのか、これが実現せず。
にもかかわらず、内野手の大きな補強をしていないため、状況はそれほど変わっていない。それどころか、昨年、二塁手として40試合に出場したブレット・ロウリーがオークランド・アスレチックスへ移籍しており、むしろ、微妙に手薄になっているとも言えるのだ。
そこで川?の存在がクローズアップされる。昨年、二塁手での出場試合数が64試合で、実はチームでいちばん多かったのである。
とはいえ、それだけでレギュラーが約束されるほど簡単ではない。当面のライバルは次の3人だろう。
◎ムネリンのライバルはこの選手たち!
実績ではマイサー・イズトゥリスだ。昨年はケガに泣き11試合の出場に終わったが、エンゼルス時代の2009年には打率3割を記録したスイッチヒッター。故障明けとなるシーズンで、どこまで調子を上げられるか。
続いてはライアン・ゴインズ。一昨年にメジャーに初昇格し、34試合出場で打率.252を記録。昨年の開幕時はレギュラーの期待もかけられていたが、打率.188とメジャーの壁に屈し、67試合の出場にとどまっている。守備は悪くないだけに、打撃が課題の選手だ。
そして3人目はデヴォン・トラヴィス。昨シーズンオフにタイガースから移籍してきた24歳の若手で、まだメジャー経験はないものの、マイナーでは通算打率.323という高打率を残している。
◎レギュラーを決めるぜ川?は 男だ川?は
この3人に対し、昨年の夏以降、二塁手のレギュラーとして試合に出ていた川?は、メジャーでのキャリアハイとなる打率.258、出塁率.327をマークした。もちろん、日本時代から定評のある守備も遜色ない。
3人と比較してみても、川?の存在感は優位にも見える。オープン戦で結果を出せば、開幕ゲームから起用される可能性は十分だ。
古巣のソフトバンクからは好条件でラブコールを送られていたにもかかわらず、プロ16年目を彼の地で迎える選択をした川?。だからこそ、メジャーで活躍することが、オファーをしてくれた関係者への恩返しにもなる。
持ち前の明るさでムードメーカーとしても機能し、トロントのファンからも絶大な人気を誇るだけに、今年こそは常時グラウンドに立ち、そのはつらつとした姿を1秒でも多く見せてほしいものである。
ムネ、チェスト!!