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2003年にはW受賞も。菅野智之(巨人)vs.菊池雄星(西武)、沢村賞に輝くのはどっちだ!?

2003年にはW受賞も。菅野智之(巨人)vs.菊池雄星(西武)、沢村賞に輝くのはどっちだ!?

 プロ野球も最終盤。今年、エースたる活躍を見せている投手といえば、菅野智之(巨人)と菊池雄星(西武)だろう。両者ともに防御率1位をキープし、最終的にいくつのタイトルを手にするのか楽しみだ。

 甲乙つけがたい2人だが、こうなるとシーズン終了時に議題に挙がるのは沢村賞の行方だ。沢村賞の選考基準と2人の成績を照らし合わせてみたい。

(成績は8月22日時点)

沢村賞の選考基準と菅野、菊池の今季成績


 沢村賞の選考基準と、2人のここまでの成績は以下の通りだ。

■沢村賞の選考基準
登板試合数:25試合以上
完投試合数:10試合以上
勝利数:15勝以上
勝率:6割以上
投球回数:200回以上
奪三振:150個以上
防御率:2.50以下

■菅野智之の今季成績
20試合:4完投/13勝5敗/勝率.722/投球回149.1/145奪三振/防1.87

■菊池雄星の今季成績
20試合:4完投/12勝5敗/勝率.706/投球回144.2/165奪三振/防1.93

 ご覧の通り、今のところ拮抗した成績を残している。完投、投球回は達成できるか微妙な状況だが、例年通りの裁定ならば該当者なしにはならないだろう。

 沢村賞は歴代受賞投手による合議制のため、どこが焦点になるかはその年によって異なるが、大きな論点になりそうなのが勝利数。1988年に大野豊(広島)が13勝7敗で受賞しているが、そのほかの受賞者は15勝以上を挙げている。

 近年、完投数には目をつぶる傾向にあるが、勝利数は譲れないスタッツだ。一方が15勝、もう一方が14勝となると「15勝」が優先される可能性は高い。勝ち星がひとつ多い菅野が一歩リードか。

過去にはダブル受賞も!


 原則1年に1人の受賞であるが、例外もある。2003年は井川慶(阪神)と斉藤和巳(ソフトバンク)が史上唯一のダブル受賞を果たした。

■井川慶の受賞年の成績
29試合:8完投/20勝5敗/勝率.800/投球回206/179奪三振/防2.80

■斉藤和巳の受賞年の成績
26試合:5完投/20勝3敗/勝率.870/投球回194/160奪三振/防2.83

 今年はこのときの状況に近いものがあるが、2003年は阪神とダイエーがともにリーグ優勝し、さらに両リーグから同時に20勝投手が現れたのが1982年以来という御祝儀的な側面もあった。

 果たして今年の沢村賞争いはどんな決着となるのか? 菅野と菊池の登板から目が離せない。


文=落合初春(おちあい・もとはる)

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