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今季は“派手”にブレイクせよ! ドラ1・堀瑞輝(日本ハム)の2年目はこんなもんじゃない!

今季は“派手”にブレイクせよ! ドラ1・堀瑞輝(日本ハム)の2年目はこんなもんじゃない!

 2017年、プロ野球界を沸かせたルーキーといえば、誰が思い浮かぶだろうか?

 源田壮亮(西武)、京田陽太(中日)、濱口遥大(DeNA)……。高卒ルーキーならば、藤平尚真(楽天)も目覚しい活躍を見せた。他にも黒木優太(オリックス)や有吉優樹(ロッテ)など、即戦力リリーフになった選手もいる。

 なかなか新人豊作だった昨季だが、彼らの陰に隠れて、ひっそりと結果を残したドラ1・ルーキーがいる。堀瑞輝(日本ハム)だ。

柳田悠岐も認めたストレート


 2016年のドラフトで広島新庄高から1位指名を受けた堀瑞輝。田中正義、佐々木千隼を抽選で外しての1位だったが、その順位は限りなく妥当だっただろう。

 2016年夏の甲子園では最速150キロ、キレのいいストレートとスライダーのコンビネーションを低めにビシビシと刺し、気迫のこもった投球は高校の先輩である田口麗斗(巨人)を彷彿とさせた。甲子園後に侍ジャパンU-18代表のメンバーとして臨んだBFA U-18アジア選手権では、3試合、9回2/3を被安打1に抑える完璧な投球を見せ、紛れもなく世代ナンバーワンの左腕になった。

 昨季の2軍成績も高卒ルーキーとは思えない出来だった。11試合を投げ、3勝1敗、防御率1.98。27回1/3で32奪三振を記録した。

 完全に2軍レベルは制圧していたが、高卒1年目ということもあり、1軍登板は無理せず調整して4登板、防御率3.38。9月には初先発も経験し、5回を1失点、0四死球にまとめた。

 とりわけ、昨季のハイライトは8月のソフトバンク戦で柳田悠岐から三振を奪った場面だ。インハイのストレートに柳田のバットは空を切り、空振り三振になっただけでなく、その対戦時の印象から、シーズン後のテレビ番組で柳田は「スピードボールナンバーワン」に堀を挙げていた。角度あるスリークオーターは柳田のように背中でタメを作る左打者には威力を発揮する。

 シーズン後にはアジア プロ野球チャンピオンシップ2017に挑む侍ジャパンに選出。高校時代のキレに加え、球の重さも出てきた。体も厚みが目立ち、1年での進化を感じられた。単なる新人枠ではない、侍ジャパン首脳陣が将来性を感じ取ったからこその選出だった。

もっと目立ってほしい!


 1軍での出場機会が少なかったこともあり、堀の実力は日本ハムファンはともかく全国には轟いていない。しかし、少ない登板でも「高卒1年目でこんな投手がいるのか!」と唸らせる迫力があった。

 ただ、ひとつだけ課題があるとすればスター性だ。

 マウンド上で仁王立ちし、微笑み、物怖じしない堂々とした投球を見せる。その一方で、普段は“超”が付くほど物静かだ。

 ドラフト直後、筆者が広島新庄高に取材に行った際、そのギャップに驚いた。“制服の堀”は“マウンド上の堀”とは対照的に、とても大人しい高校生だった。

「クラスでも目立たない方なんです」

 恥ずかしがり屋で控えめ。体が大きいわけでもない。体育会系の匂いが一切しなかった。

 今季はチームに人生二周目のごとく雄弁な清宮幸太郎が加わった。ゴールデンルーキーの存在は、堀のメディア露出にとっては脅威だ。それでも堀は淡々と寡黙に、マウンドで己を証明しようとするだろう。「男は黙って」の世界を生きている。

 素晴らしい1年目だったが、もっと注目されていい。2年目の今季は“地味”から脱却し、ド派手にブレイクしてくれるはずだ。


文=落合初春(おちあい・もとはる)

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