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増田珠(横浜)、岩本久重(大阪桐蔭)ら、2014年・侍ジャパンU-15メンバーが迎えた最後の夏

増田珠(横浜)、岩本久重(大阪桐蔭)ら、2014年・侍ジャパンU-15メンバーが迎えた最後の夏

 沖縄大会を制した興南を皮切りに、各地で甲子園出場校が決まっている。

 そんななか、3年前にメキシコで行われた第2回IBAF 15Uワールドカップを侍ジャパンU-15のメンバーとして戦った当時中学3年の選手たちは、高校球児としての最後の夏を迎えている。

 このときの侍ジャパンU-15は鹿取義隆監督(現巨人GM)が指揮を執り、7位に終わった。あれから3年、侍ジャパンU-18候補にも選出された者、甲子園春夏連覇を目指す者、地方大会で敗れた者……。それぞれの場所で皆が戦っている。そんな彼らの今を追う。

先頭を走るのは横浜・増田珠


 2014年の侍ジャパンU-15で主に4番打者を任されたのが、当時、長崎リトルシニアの増田珠だった。

 横浜へ進学し、1年夏には中堅のレギュラーを獲得。2年夏には、慶應義塾との神奈川大会決勝で2打席連続本塁打を放ち、勝利に貢献。甲子園に出場した。今夏は4番に座り、4回戦の藤沢翔陵戦では同点2ランを放つ活躍を見せた。走攻守三拍子揃ったプレーでプロのスカウトからも注目を集めている。

 その増田に続く活躍を見せるのが、侍ジャパンU-15で増田と3、4番を組んだ西浦颯大。

 中学時代は熊本北リトルシニアに所属し、高知の明徳義塾に越境入学した。1年春からレギュラーを獲得。夏の高知大会では主軸に座るも、甲子園ではベンチ入りメンバーから外れる悔しさを味わった。その後は2年春から3季連続で甲子園出場を果たし、2年夏には3回戦の嘉手納戦で満塁弾と高い打撃センスを見せつけた。

 増田と西浦はともに9月にカナダで行われる第28回WBSC U-18ワールドカップの代表候補選手に選ばれており、2度目の侍ジャパン入りが期待される。

 なお、侍ジャパンが常設化された2013年以降、U-15、U-18の両方で代表入りした選手には藤平尚真(千葉市リトルシニア→横浜→楽天)がいる。

センバツ優勝を経験したのは…


 侍ジャパンU-15で捕手、一塁手として出場していたのが、当時、大津北リトルシニアの岩本久重。滋賀から強豪・大阪桐蔭に進む。

 昨秋の新チーム結成後は正捕手だったが、今春のセンバツ前に左手を骨折。記録員としてベンチ入りし、センバツ優勝を経験する。センバツ後はケガから復帰し、今夏の大阪大会は初戦の大手前戦で2安打、2打点。続く2回戦の千里戦でも2安打、3打点。チームの春夏連覇に向け、その一翼を担う活躍が期待されている。

 また、大阪桐蔭には岩本だけでなく、侍ジャパンU-15からは海山リトルシニアの加藤大貴も進学。今春のセンバツでは背番号14でベンチ入りした。


最後の夏、甲子園出場を果たせなかったメンバー


 一方、最後の夏の甲子園出場が絶たれた侍ジャパンU-15のメンバーもいる。

 オールスター福井の上中尾真季と富山ボーイズの武隈陽平はセンバツ初優勝を果たした直後の敦賀気比に入学。中学時代は投手だった上中尾は入学後に野手に転向し、1年秋には明治神宮大会で準優勝。翌春のセンバツにも出場している。今夏の福井大会には3番打者として臨んだが、準々決勝で武生商に2対4で敗れてしまった。

 また、侍ジャパンU-15で主に遊撃に就いた鏑木風雅は、前橋桜ボーイズから桐生第一に進み、1年夏からレギュラーに。2年春にはセンバツに出場している。4番に座り、攻守の中心で臨んだ今夏の群馬大会は初戦で高崎と対戦。10対6と4点リードで迎えた8回に同点とされると、9回に勝ち越され、10対11で敗退。悔しい夏となった。


文=武山智史(たけやま・さとし)

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