3月3日のソフトバンク戦も、俊足を生かしたショートへの内野安打、ピッチャーの足元を抜くセンター前タイムリーと、4打数2安打。
掛布雅之2軍監督が、DC((打撃コーディネーター))時代から目をかけ、昨年の秋季キャンプでも1軍の安芸ではなく、2軍の鳴尾浜で手元において付きっきりで指導を行った成果が、ここにきて実を結びつつある。
横田は鹿児島実業高出身の3年目(2013年秋のドラフト2位)で、186センチ92キロと体格にも恵まれており、加えて50m6秒1の快足。守備面に課題を残すなど、まだまだ粗削りな面は否めないが、糸井嘉男(オリックス)や柳田悠岐(ソフトバンク)のような大型外野手へ育つ可能性を秘める。
なお、横田の父は40代以上の野球ファンならご存知であろう、1980年代後半から1990年代前半にかけてロッテの主力だった横田真之氏だ。917試合に出場し、727安打108盗塁と、俊足の外野手として活躍。
初代『ファミスタ』にも、強力メンバーの混成チーム「フーズフーズ」の一員で、控え選手ながらも「よこた」として、(それらしき人物が)名を連ねていたほど。
足の速さなどの身体能力も含め、野球に適したDNAは、しっかりと息子に受け継がれているようだ。
背番号は24。阪神の24番といえば、暗黒の時代から歓喜の優勝まで、生え抜きの若虎としてチームを22年間支え、2013年に引退した桧山進次郎のイメージがまだまだ強い。
甲子園球場には、24の背番号の上に「HIYAMA」と刻まれたユニフォームを着て声援を送る阪神ファンが少なくない。24番のイメージを「HIYAMA」から「YOKOTA」へ更新していけるか。そのための開幕1軍へ向けて、ここからさらに生存競争は激しくなる。
文=藤山剣(ふじやま・けん)