日本ハムからFA宣言し、巨人入りを表明していた陽岱鋼。12月19日に都内のホテルで入団会見を行い、「打って走って守って、ひとつひとつチームに貢献したいと思います」と新天地での決意を、日本、そして祖国・台湾から駆けつけた報道陣の前で明かした。
さらに、「自分の成績よりも、まずはチームの成績優先に考えたい」と「ジャイアンツファースト」でシーズンに臨むことも強調。
会見に同席した高橋由伸監督も「守備でもゴールデン・グラブ賞の常連ですし、総合力が高い選手だと思っています」と陽への期待は高い。
契約内容は、5年総額15億円(推定)とも言われており、背番号は、2016年は脇谷亮太が背負っていた「2」となった。
昨年から今年にかけて、山田哲人(ヤクルト)と柳田悠岐(ソフトバンク)がトリプルスリーを達成したが(山田哲人は2年連続達成)、陽もそれに手が届くところまできている選手だ。打率、本塁打、盗塁の三部門の過去最高成績は以下の通り。
最高打率.293(2014年、2016年)
最多本塁打:25本塁打(2014年)
最多盗塁:47盗塁(2013年)
盗塁数は30を大きく上回っており、打率は3割まであと7厘、本塁打は30本まであと5本。来年1月に30歳という年齢からも、この数字はまだまだ伸ばせる可能性があるだろう。
2015年、2016年はケガもあって、年間を通して満足な状態でプレーできていないが、フィジカルが仕上がれば、打率、本塁打、盗塁ともに同時に大台をクリアしても不思議ないポテンシャルを秘めている。
ほかの主力選手の体調が万全であれば、おそらく来季のクリーンナップは3番・坂本勇人、4番・阿部慎之助、5番・村田修一で固定か。となると、陽は1番センターでの起用となる可能性が高そうだ。
台湾出身ということで日本語はややたどたどしいものの、陽はとにかく声がいい。
インタビューなどで話す声は、あのGACKTに似た、やや鼻にかかった低音。試合後のヒーローインタビューに呼ばれたときは、オリエンタルラジオの藤森慎吾の決めフレーズ「サンキューで〜す!」がおなじみとなっているが、東京ドームのお立ち台では、その美声も要チェックだ。
文=藤山剣(ふじやま・けん)