決勝ラウンドに入って盛り上がりをみせる「WBSCプレミア12」。侍ジャパンは19日、準決勝で宿敵・韓国と対戦することが決まった。
小久保裕紀監督は、当日の先発投手は大谷翔平(日本ハム)と予告。8日の1次ラウンドの韓国戦では、6回2安打無失点で10奪三振と圧巻の投球をみせたものの、韓国にとってみれば、大谷に対するデータ収集は完了したとも受け取れる。
ここでは、韓国チームの注意すべき打者たちの韓国リーグでの成績をふまえて、その特徴などを紹介しよう。
韓国球界を代表するスラッガーといえば、朴炳鎬だ。高校卒業後、2005年にドラフト1位でLGツインズ入り。若手時代は兵役に出ていたこともあり、1軍で結果を残すことができず、さらには2010年、試合中の衝突による故障で野手としては異例のトミー・ジョン手術を経験。2011年にトレードでネクセンヒーローズに放出された。
しかし、そこで眠っていた才能が開花。2012年に打率.290、31本、105打点を挙げて本塁打王と打点王の二冠に輝くと、その年から今季まで4年連続で本塁打王と打点王を独占している。
ポジションはファースト。2012年には20盗塁を記録しており、動けないタイプではない。
今オフ、ポスティングによるメジャー移籍を表明。これだけの成績を残しているため、どこかが食指を伸ばすだろうが、もし移籍交渉がうまく進まなければ、来日するというウワサも…。
来年30歳。脂の乗ったスラッガーを欲する球団もあるだろう。日本でも実績を残した「第2の李大浩」の筆頭候補でもある。
ただし、心配なのは三振数。今季はリーグワーストの161三振を記録しており、大振りも目立つ。李大浩の韓国最終年の成績は、わずか60三振。数字上の柔軟性ではやや劣る印象だ。
≪主な韓国球界での成績≫
【2012年】
試133/率.290/本31/点105/盗20(MVP・本塁打王・打点王)
【2013年】
試128/率.318/本37/点117/盗10(MVP・本塁打王・打点王)
【2014年】
試128/率.303/本52/点124/盗8 (本塁打王・打点王)
【2015年】
試140/率.343/本53/点146/盗10(本塁打王・打点王)
安定感のある中堅どころでは、金賢洙も脂が乗ってきた。2006年に信一高からドラフト外で斗山ベアーズに入団すると、2008年に弱冠20歳で首位打者を獲得。
そこから今季にいたるまで、8シーズンで7回の3割オーバーの安定した打撃を見せている。愛称はベアーズの安打製造機なので「機械熊」だ。
また国際舞台での強さはずば抜けており、2008年、北京五輪での日本戦(予選リーグ)では、9回に岩瀬仁紀から代打決勝打を放ち、韓国の英雄となり、2009年のWBCでは大会ベストナインに輝いた。
今季は自身最高の28本塁打、121打点を記録しており、来年28歳とまだまだ働き盛り。
ポジションは外野と一塁。守備・走塁面では凡庸だが、クラッチヒッターとしての素質は一流。仮に日本球界に来ても期待できるだろう。
≪主な韓国球界での成績≫
【2008年】
試126/率.357/本9/点89/盗13(首位打者)
【2015年】
試141/率.328/本28/点121/盗11
韓国の打撃陣で無視できないのが、日本でもお馴染みの李大浩だ。
16日に行われた準々決勝のキューバ戦は、2回に一挙5点を奪って勝利した韓国。4番に座った李大浩もタイムリーを放って、貫禄をみせた。