高校時代は石川・星稜高。1年春から自慢の巧打で外野手のレギュラーをつかむと、1年秋に4番・エースに昇格。「ゴジラ2世」の二つ名を得て、3年夏(2007年)の甲子園では初戦の長崎日大戦で4打数4安打の活躍を見せた。
星稜高出身だけあって、打者としての注目度が高かったが、進学先の國學院大では投手を継続。2年春からチームが東都1部に昇格すると、春に防御率1.26(5位)、秋には防御率1.54(4位)の好成績を残し、一躍エースに浮上した。
強豪揃う戦国東都で勝ち星には恵まれなかったが、通算39試合で9勝21敗、防御率2.21の成績を収め、2011年ドラフト4位で巨人に入団した。
1年目のキャンプから高木は大いに注目を集めた。140キロ台後半のストレートに鋭いカーブで緩急をつける投球で夏場にリリーフに定着すると、7月4日から最終戦まで29戦連続無失点。34試合で2勝0敗10H1S、防御率0.57のずば抜けた成績を残した。
同年の日本シリーズでは優勝を決めた第6戦で救援登板。史上最少タイのわずか2球で平成生まれ初の日本シリーズ勝利投手となった。
2年目からはやや調子を落としたが、それでも46登板(防御率4.34)、26登板(防御率4.76)でビハインドでの登板を中心にリリーフの一角に陣取っていた。
昨季は33試合で1勝0敗1H、防御率2.20。成長を感じさせる内容で、今季は勝利の方程式に食い込みたいところだった。
また、ここまでの139試合で敗戦なし。「デビューからの連続登板機会無敗」のプロ野球記録を更新中だったが、今後プロ野球の世界で負けが付くことはないだろう。
再三再四の事態だが、巨人にとっては戦力的に痛い。福田、笠原、松本は昨季、2軍でくすぶっていたが、高木はバリバリ1軍の域だ。
ビハインドでの登板、左腕という条件をそのまま当てはめると、チャンスが巡ってくるのは公文克彦(24)だろう。昨季2軍で44試合3勝1敗、防御率1.78の成績を残しており、厚い投手陣に切り込むとすれば、ここだろう。
また先発適性ではあるが、今村信貴(22)や田口麗斗(20)もチャンス増といえる。左腕にこだわらなければ、まだまだ素材はそろっているが、いずれにしても「巨人の2軍? 本当に大丈夫なのか?」というファンの疑念は尽きない。球団には今一度、徹底したオープンな調査が求められる。
文=落合初春(おちあい・もとはる)