大洋ホエールズ時代の最強助っ人といえば、「スーパーカー・トリオ」の後を打つ主砲として活躍したカルロス・ポンセだ。当時流行していたテレビゲームのキャラクターから“マリオ”の愛称で親しまれたポンセ。本塁打王1回、打点王2回に輝くなど、当時の大洋を明るいキャラで牽引した。昨季は交流戦のイベントにも登場。西武OBの鹿取義隆氏との1打席真剣勝負で安打を放ち、ハマスタを沸かせた。
ポンセに負けず劣らずの存在感を放ったのは、フェリックス・ミヤーン。1978年、横浜へ本拠地移転した大洋に入団。ポンセと同じプエルトリカンで、バットを極端に短く持って寝かせたフォームから安打の山を築いた。
またミヤーンの前任の二塁手で、のちに巨人に移籍したジョン・シピンを覚えているオールドファンも多いだろう。珍プレー映像では、当時の乱闘シーンのレギュラーメンバーだったシピン。大洋在籍中は20本塁打を下回ったことがない実力者だった。
ポンセと同時代に活躍したジム・パチョレックも確実性が高く、頼れる助っ人だった。本塁打が少ないことで契約が打ち切られたが、その後は阪神へ入団。同僚となったトーマス・オマリーのアドバイスが功を奏したか、横浜スタジアムよりも広い甲子園球場で本塁打を量産。キャリアハイとなる22本塁打を放つなど、大洋にとってはなんとも歯がゆい結果となった。
ロバート・ローズも忘れてはならない。今やベイスターズファンにとっては、伝説のシーズンとなっている1998年。日本一に輝いたこの年は4番に定着して、二塁手としてもゴールデングラブ賞を受賞。説明不要の横浜のレジェンド外国人は現在、テキサス・レンジャーズ1Aでコーチを務めている。
ほか、投手陣ではマーク・クルーンも忘れがたき助っ人。161キロをマークするなど、速球派投手として鳴らし、巨人へ移籍後も大活躍。通算177セーブをマークしたのは、2005年の横浜時代の牛島和彦監督(当時)が指導した投球フォームの賜物だという声もある。
今季に話を戻せば、日本球界3年目を迎えたギジェルモ・モスコーソが頑張っている。4月20日の広島戦では、7回4安打無失点と好投。2勝目を挙げている。また、元広島のマイク・ザガースキーの加入も決まり、助っ人投手陣には上がり目も期待できる。
しかし、健闘する投手陣は皆、援護に恵まれない印象がある。前述した歴代の助っ人外国人たちがひとりでもいれば…という声も挙がりそうな今季のDeNA外国人選手事情。20日には白根尚貴と入れ替わりで、冒頭で紹介したロマックが1軍に昇格した。首脳陣も、巻き返しの起爆剤として、外国人選手たちには期待をしているはずだ。
アレックス・ラミレス監督は、独立リーグ在籍時代にはフランシスコ・カラバイヨにアドバイスを与え、NPBでの活躍へと導いた実績を持つだけに、今後の手腕に期待したい。
文=元井靖行(もとい・やすゆき)
東京都在住。神宮と横浜スタジアムにてプロ野球、大学野球から学童野球まで野球と名のつくゲームは幅広く観戦。プロ野球は横浜DeNAベイスターズを中心にウォッチしている。