今シーズン、山口に続く勝ち星を挙げたのは9勝4敗の石田健大。先日、メキシコ、オランダと強化試合を戦った侍JAPANのメンバーにも選出された。
また今シーズンは、DeNA投手陣のなかで最多先発数となる25試合に先発。今季蓄積した疲労は心配されるが、若さで2ケタ以上の勝ち星を積み重ねることを信じている。物静かな性格だが秘めた闘志に期待したい。
今シーズンは8勝9敗と惜しくも2ケタ勝利には届かなかった今永昇太。だが、今シーズンはあくまでルーキーイヤー。勝ち運に恵まれなかった序盤戦を考えると、2017年は2ケタ勝利が十分に期待できる。
思慮深いインタビューのコメントから「投げる哲学者」とも言われる今永。2ケタ勝利は簡単ではないかもしれないが、そのブレないメンタル力で2017年のエースに成長するはずだ。
DeNAの次代のエースと嘱望されて久しい井納翔一。プロ入り4年目の今シーズンは7勝11敗に終わった。
しかし、今シーズンは度々山口の穴を埋める活躍も見せた。まずは開幕戦、開幕投手を言い渡されていた山口は足首の捻挫により登板できず。その代役を果たした井納は勝利を収めた。
また、オールスターゲームでも、監督推薦により選出された山口が足首を捻挫した際に、代役を務めた。どことなく井納と山口には運命のあやを感じる。
井納は、CSでは重要な初戦で勝ち星を挙げ、ファイナルステージでは連敗を阻止する勝利を挙げた。そこでは普段とは違う気迫を前面に出したピッチングを見せ、新たな一面を披露した。大舞台を経て大きな成長を遂げている。一皮むけたピッチングで、来季は7勝以上を期待しても大丈夫だろう。
ローテーションの一角を狙う投手はまだいる。三嶋一輝は、今シーズンは後半戦からの1軍マウンドだったが、来季に期待を抱かせるピッチングを見せた。また、先のドラフトで獲得したルーキー、濱口遥大(神奈川大)、水野滉也(東海大北海道)、尾仲祐哉(広島経済大)らが、開幕から頭角を現してくれれば山口の穴は埋まり、今シーズンを上回る勝利数を見込めそうだ。
文=元井靖行(もとい・やすゆき)