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【侍ジャパン】その実力は侮れない!プレミア12で台風の目となる可能性を秘めるカナダ

好投手を揃えられ、上位進出のチャンスあり!


「春が遅いからね。MLB傘下のマイナーというのは厳しいんじゃないかな。だからこの国では独立リーグがちょうどいいんだ」とは、カナダ野球殿堂の館長の言葉だ。寒冷地ということもあり、4月に開幕を迎えるMLBのプロ野球組織より、そのロースターからこぼれた選手を拾い直して、5月以降にリーグ戦を始めることがこの国には適しているというのだ。実際、この国のプロ野球は、MLBのトロント・ブルージェイズがトップに君臨するが、球団数から言えば、独立リーグが圧倒的に多い(写真はカナダ独立リーグの名門球団、ケッベク・キャピタルズのマスコット)。


 今回のメンバーを見てみると、若手中心のアメリカ、「就活」目的のラテン勢に比べると比較的粒がそろった陣容と言える。今季メジャーでもプレーしていたアンドリュー・アルバース(ブルージェイズ)やフィリップ・オーモン(フィリーズ)をはじめ、3Aや2Aでプレーしていた元メジャーリーガーが並んだ陣容は、今大会の台風の目となる可能性を秘めている。

 投手陣は、昨年、韓国で投げていたアルバースに加え、レイズ3Aのスコット・ダイヤモンド、それに独立リーグでプレーしていたメジャー通算10勝のショーン・ヒルと、同9勝スコット・リッチモンドという両ベテラン右腕が控え、数はそろっている。また、元日本ハムのダスティン・モルケンと元ヤクルトのクリス・ラルーの名もある。

 投手陣に比べると打撃陣は少々弱い。正捕手はオーストラリアのウインターリーグで本塁打王になったこともある23歳のケリン・デグランが務めるだろう。しかし、その他の野手陣では、今季、独立リーグで14本塁打のブロック・ケラードと過去に2Aで21本塁打の実績をもつジョーダン・レナートンに長打が期待できる程度で、目立つ選手は少ない。

*明日は侍ジャパンと対戦する強敵・アメリカを紹介

文=阿佐智(あさ・さとし)
1970年生まれ。世界放浪と野球観戦を生業とするライター。「週刊ベースボール」、「読む野球」、「スポーツナビ」などに寄稿。野球記事以外の仕事も希望しているが、なぜかお声がかからない。一発当てようと、現在出版のあてのない新刊を執筆中。ブログ「阿佐智のアサスポ・ワールドベースボール」(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/gr009041)

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