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部員10名の不来方には銀次(楽天)のいとこが。今センバツ出場のプロ野球選手の兄弟・親戚たち


 熱戦が繰り広げられている第89回全国選抜高等学校野球大会(以下、センバツ)。清宮幸太郎(早稲田実)や安田尚憲(履正社)が話題を集めているが、注目したい選手はほかにもいる。今回はプロ野球選手の兄弟・従兄弟を家族に持つ出場選手を紹介したい。

夏準優勝エースの兄を超えたい!


 2014年の明治神宮大会を制し、2015年のセンバツに出場した仙台育英。初戦は神村学園に12対0で圧勝したものの、2回戦でその大会で優勝することになる敦賀気比に1対2で惜敗。2回戦で姿を消した。そのときのエースが佐藤世那(オリックス)であり、野手の中心選手は平沢大河(ロッテ)だった。

 この投打の主軸を原動力に、仙台育英は同年夏の甲子園では決勝に進出。小笠原慎之介(中日)がエースの東海大相模に敗れたものの堂々の準優勝を飾った。

 その佐藤世那の弟・佐藤令央も仙台育英の投手。今センバツに出場を果たしている。昨秋の公式戦では5試合に登板。10回を投げて奪三振6、与四球4、防御率1.80という成績を残した。昨秋の明治神宮大会・1回戦の履正社戦でも登板したが、打者1人に対し四球を与えて降板。全国の舞台で力を発揮することができなかった。


 今センバツで上位進出を目指した仙台育英だったが、初戦・福井工大福井戦で最終回に決勝点を奪われ4対6と惜敗。佐藤令央が登板する機会はなかった。

 仙台育英には福井工大福井戦を投げ切ったエースの長谷川拓帆が君臨しているだけに、現状では2番手格だ。しかし、佐藤令央が長谷川に追いつき追い越すような存在に成長すれば、偉大な兄でも届かなかった深紅の大優勝に近づくことだろう。


銀次の従兄弟が21世紀枠で甲子園に!


 銀次(楽天)は高校時代に甲子園出場を果たせなかった。今春、その夢を、21世紀枠選出の不来方で1番・遊撃として活躍するいとこ・鷹嘴零志が、銀次に代わって叶えた。

 不来方は部員が10人しかいないことや、エースで4番で主将の小比類巻圭汰に注目が集まるが、いとこがプロ野球選手という選手も在籍していたのだ。

 身長174センチの銀次と同じく、鷹嘴も162センチと小柄。しかし、銀次譲りのアベレージヒッターで昨秋の公式戦では全9試合に出場し、打率.450(40打数18安打)をマーク。チームトップの打率を誇っており、リードオフマンとしての役割をしっかりと果たした。

 センバツ直前の練習試合でも3本の二塁打を放つなど絶好調で本番を迎えた鷹嘴だったが、不来方は初戦の静岡戦で健闘及ばず3対12で敗退。しかし、強豪校に臆しない不来方の爽やかなプレーには大きな拍手が送られ、鷹嘴も8回にヒットを放ち意地を見せた。

次回はベンチ入りを果たしたい!


 ベンチ入りを果たすことはできなかったプロ野球選手の兄弟もいる。

 盛岡大付の松本跳馬は松本裕樹(ソフトバンク)の弟だ。今センバツ、高岡商との初戦では大接戦の末に10対9でサヨナラ勝ちを収めた盛岡大付だが、松本跳馬の姿はベンチにはなかった。下級生ということもありベンチ入りは果たせなかったのだ。

 兄の裕樹は2年時、2013年のセンバツで2試合に登板。13回1/3を投げ3失点。打っては6打数2安打、打率.333と活躍。チームは3回戦で敗退したものの投打に渡りチームを牽引した。3年夏には故障を抱えながら優勝候補の東海大相模を下す熱投を見せた。

 弟の跳馬は兄の裕樹のように甲子園の土を踏むことはできなかったが、夏の大会に期待したい


文=勝田 聡(かつた さとし)

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