【2016夏の高校野球】《石川観戦ガイド》有望選手と大会展望&勢力ピラミッド
7月14日〜26日(石川県立野球場ほか)
投打にタレントが揃った星稜&遊学館!
ロサンゼルス遠征で県内レベルが高まる
☆★☆ 投手編 ☆★☆
●伸びしろ・成長に終わりなし!
清水力斗(星稜)が最も伸びしろを感じさせる投手だ。ストレートと変化球のコンビネーションが抜群で、多数揃う投手陣の中でエースの風格と貫禄がある。力感もあるバランスいいフォームから内角を厳しく突ける投球は必見。課題はスタミナだ。戸部透吾(遊学館)はプレート幅を一杯に使い、多彩な変化球で打者を翻弄する。丁寧な投球が冴える頭脳派右腕。複数の投手を擁する金沢。制球力で勝負する橋村駿汰やダイナミック投法・薮内郁実が勝負度胸を発揮すれば大化けする可能性も。
絶対的勢力図の私学三強といわれる星稜・遊学館・金沢以外の投手も成長著しい。手元で伸びる力強さが魅力な砂山瑞樹(金沢西)。上半身が強く、指先にかかるリリース感覚が良好。彗星のごとく現れた岡本祥悟(北陸学院)は小気味よいテンポでミスにも腐ることなく投げ込む姿に好感を持てる。素材が光る田上智也(小松大谷)は角度ある投球で復調期待。
池下裕貴(鵬学園)と打田雷樹(日本航空石川)はともに粗削りな面はあるものの、ゲームを作れる能力を備えている。昨夏ベスト4の原動力となった津幡の両左腕・寺地良太と林雅貴。兄の幸夫氏が遊学館で聖地のマウンドを踏んだ黒萩優斗(羽咋)も燃えている。タテのスライダーが鋭い森口陸(穴水)、部員不足にめげず奮闘した投球を見せる菅本蓮(加賀)、背中の故障で精彩を欠いた昨秋V右腕・堀海斗(野々市明倫)もこのままでは終われない。
▲堀海斗(野々市明倫)
☆★☆ 打者編 ☆★☆
●思わず肯定したくなる強者揃う
星稜にしぶとくワクワクする打者が揃う。2年生ながら木倉朋輝は自分のツボに呼び込め、左右に打ち分けられる。チャンスにも強く、チームの得点源だ。寺西建は差し込まれても力で持っていける打棒にスラッガーの片鱗あり。守っては球際に強く、打っては多彩な小技と巧打が光る畑中陸。核弾頭・森田涼雅、1年春からレギュラーの虎谷貴哉、そしてラッキーボーイ・越中圭など戦力は豊富だ。
昨夏甲子園を経験した遊学館は個性豊かな布陣。柔軟な手首の返しで安打量産する内潟凌太。小笠原慎之介(中日)から放った流し打ちで自信を深める藤原遼。インパクト強いスイングに、軽快なフットワークも輝く中村康汰。1年生捕手・牧野翔矢のインサイドワークと強肩にも注目が集まる。
田畑智光(金沢商)の機敏な動きで背走する守備力の高さとドッシリとした下半身から強振する安打は迫力満点。同僚の山口蓮斗は配球に繊細さが感じられる。身体能力が高い生長稜(野々市明倫)、泳がされても運べる谷口勇太朗(日本航空石川)、味のあるリードで引っ張る司令塔・喜多隆介(小松大谷)など面白い存在だ。
金沢高にはスラッガーとして飛躍したい長桂太郎。冷静で選球眼ある尾形裕太郎。落下点への入り方と捕球後の素早く確実な送球が光る藤井勇輔といった好素材が顔を並べる。昨秋、星稜を破った金沢西では、長打力に加え、走塁もいい主砲・鴎端諒大と安定感抜群の守備力を誇る竹島信之介。腕を畳んで流し打てる上原子滉人(小松)、部員10人で躍進する木澤元紀(門前)のパワーも見逃せない。
▲内潟凌太(遊学館)
☆★☆ 大会展望 ☆★☆
●米国遠征の成果へ真価の夏
昨年末に行った石川選抜・ロサンゼルス遠征の波及効果もあり、各校の実力が拮抗している。星稜は2年前の奇跡を呼び起こすかのミラクル劇で戦力が整い、遊学館の役者揃いは例年通り。この2校が本命だが、投手陣に期待したい金沢、星稜と因縁の対決となる小松大谷、試合巧者の金沢商、攻守にバランスがいい金沢西など実力差はほぼない。東日本大震災被災地支援事業による宮城県訪問で刺激を受けた野々市明倫や、羽咋、日本航空石川、鵬学園などの能登勢にも期待。
地区勢力ピラミッド
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