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【2015夏の高校野球】《福岡観戦ガイド》有望選手と大会展望&地区勢力ピラミッド

7月5日〜26日(小郡市野球場ほか)

変則左腕に渡辺健コンビなど好腕に注目
話題呼ぶ九州国際大付・山本の潜在能力

☆★☆ 投手編 ☆★☆

●好素材の九州大会出場組


 センバツ1回戦の近江戦では好投しながら敗退した岩田将貴(九産大九州)は、春季九州大会でも安定していた。変則左腕から背中を通過するストレートとスライダーで、左打者を手玉に取る。

 秋春の九州大会出場組は、もれなく好投手を擁している。飯塚の左腕・渡辺健史と右腕・渡辺健太の「渡辺健コンビ」は速球派。昨夏の甲子園を経験した左腕・富山凌雅(九州国際大付)は、腕を叩きつけるストレートがいい。左腕・山川海都(八幡南)は、低めの制球と牽制球が光る。福島滉貴(東福岡)は、捕手から転向のデビュー戦・昨秋県決勝で145キロを投げスタンドを沸かせた。岡野亜翔(福工大城東)は、サイドスローからの横スラで相手打者を牛耳る。

●2番手私学勢にからむ公立勢

ダークホースの私学勢エースが一気に頂点をつかむかもしれない。筆頭は龍頭大夏(大牟田)。チーム一の打力と走力で身体能力は高く、動きのしなやかな左腕だ。体重移動がスムーズになれば、スピードはまだまだアップしそう。速球派左腕・平塚貴伎(福岡第一)は精神的な安定感に欠けるが、覚醒すればナンバーワン左腕に躍り出る可能性もある。2年から名前を売っている左腕エースの新井悠太朗(折尾愛真)と中村伊吹、平城圭悟(ともに星琳)は、ストレートとマウンドさばきがいい。

 2年生右腕は剛腕タイプがいい。岩田諒大(自由ケ丘)は4番でエース。ストレートとタテの変化球のコンビネーションが絶妙だ。野手から転向で伸びしろたっぷりの梅野雄吾(九産大九産)は、145キロを記録している。

 公立勢では、3年生右腕に硬軟の両タイプがいる。「硬」は、小柄で馬力ある速球派・福森耀真(北九州)、「軟」は、2年生時に九州国際大付打線を手玉にとった下手投げの近藤徳(直方)だ。

 中学から逸材と騒がれている?地真澄(福大大濠)は、本格デビューで夏の話題をさらうか。


▲岩田将貴(九産大九州)


☆★☆ 打者編 ☆★☆

●見逃せないトップクラス野手


 話題性なら元ロッテ監督・山本功児氏を父に持つ山本武白志(九州国際大付)。春季九州大会では3試合連続弾を記録した。高いポテンシャルだけに守備や走塁にも期待したい。長打力と巧さなら岩崎魁人(九州国際大付)も負けてはいない。武富章剛(西日本短大付)は、投手よりも剛打者として魅力があり、九州国際大付勢とスラッガー争いをする。「脅威の左打線」を誇る飯塚は、三村涼太と熊本凌がポイントゲッターだ。河野真哉(東福岡)は1年から名門の守備の要で、肩、送球、捕球すべてで高レベル。グラウンドに響き渡る声でチームを引っ張る。

●好守好打の万能選手

 県ナンバーワン遊撃手を争うのは、森上涼太(西日本短大付)、江良佑介(福工大城東)、日高佐輔(東福岡)で、2年生の藤本穂高(福岡第一)がいかにからむか。外野手も、平山翔(福工大城東)、齋藤雄亮(筑陽学園)、周奕丞(福岡第一)と好素材が揃うが、優勝争いのキーマンは、チャンスに強い2年生4番・尾崎誓哉(九産大九州)になるだろう。


▲山本武白志(九州国際大付)


☆★☆ 大会展望 ☆★☆

●九産大九州と飯塚が有利も混戦必至


 五十歩百歩状態でどのチームが勝っても不思議ではない。その中で、左右の変則投手が安定し、勝負強い4番を擁する九産大九州と、左右の本格派に強力左打線が活発な飯塚が有利か。チーム力急上昇の福工大城東に、選手層の厚い九州国際大付と東福岡がからんでくる。投手力のいい大牟田、星琳、折尾愛真がダークホース。チーム内がうまくまとまったときの福岡第一も期待できる。下手投げエースがマイペースを貫けば、直方のジャイアントキリングもあり得る。

地区勢力ピラミッド

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