1998年の小関竜也(当時西武)以来、パ・リーグの野手としては19年ぶりの新人王に輝いた源田壮亮(西武)。ドラフト時の評価では「守備は一級品だが、打撃は厳しいのでは?」という声が多かった。しかし、結果は143試合に出場して打率.270、3本塁打、57打点と見事な活躍。足でも貢献して37盗塁を決めた。シーズン終了後には侍ジャパンに選ばれ、アジア プロ野球チャンピオンシップ2017に出場するなど大活躍の1年だった。
その源田を『野球太郎 No.021 2016ドラフト総決算&2017大展望号』ではどのよう見立てていたのか。
やはり、巻頭の「ドラフト指名パーフェクト名鑑87名」でも、特集「12球団ドラフト採点&近未来展望」でも守備に関する記述が多い。「ドラフト指名パーフェクト名鑑87名」にある「未来予想図」では「代走から試合に入り、そのまま守備固めへ」「盗塁の技術を上げられれば走守は完璧」と守備力、走力を高く評価しながら、打撃を差し引いて少し弱気な予言だった。
源田は『野球太郎』の予言をも上回るスピードで成長。打撃でも結果を残してルーキーイヤーを駆け抜けた。
昨季終盤、「初打席・初スイング」でバックスクリーンへの3ランという衝撃デビューを果たした細川成也(DeNA)。将来の大砲候補にふさわしい存在感を見せた。しかし、高卒ということもあり、2年目の今季も2軍でじっくり育成される方針が濃厚だ。
『野球太郎 No.021 2016ドラフト総決算&2017大展望号』の「ドラフト指名パーフェクト名鑑87名」では、「茨城が生んだポスト中田翔(日本ハム)」という見出しを添えて細川を紹介。「12球団ドラフト採点&近未来展望」では「会心の指名」として細川をピックアップし、以下のように高評価を与えている。
「筒香(嘉智、DeNA)に続くスラッガーの育成にも目を向けておきたい。5位で指名した細川成也は、今年のドラフト候補の中でも一、二を争うぐらいバットを振れる選手で、チームでは数少ない大砲候補」「日本球界を背負って立つかもしれないスラッガーの成長ぶりを見るため、来年はイースタン・リーグの試合にも行こう!」
このように中田や、チームの先輩であり、侍ジャパンの主砲・筒香を引き合いに出して、細川をスケール感の大きな選手だと予言していた。近い将来、初打席以上の衝撃を与えてくれることを楽しみにしたい。
昨季のルーキーでもっとも早く白星を挙げたのは高梨雄平(楽天)。4月6日のソフトバンク戦に中継ぎで登板し、初勝利を挙げた。この日は佐々木千隼(ロッテ)も初勝利をマーク。試合終了時間によるタッチの差で「一番乗り」を手にした。
初勝利後もブルペンを支え続けた高梨は46試合に登板して、防御率1.03。ドラフト9位ながら好成績を残し、年俸は800万円から3000万円(推定)と大幅アップを勝ち取った。
その高梨を『野球太郎』はどう見立てたのか。『野球太郎 No.021 2016ドラフト総決算&2017大展望号』にある「ドラフト指名パーフェクト名鑑87名」の未来予想図では、「小林正人(中日)のような左キラーになれる」と予言。その通り、高梨は対右打者の被打率.260に対し、対左打者の被打率は.133と左キラーとしても力を発揮した。
「12球団ドラフト採点&近未来展望」では即戦力と目しており、「左のワンポイントとしてブルペンにいてほしい存在だ」と起用法に言及。予言的中といっていいだろう。
2016年のドラフトでプロ入りした選手は、当然、まだ1年しかプレーしていない。これから1軍で活躍する機会が多くなるはずだ。『野球太郎』の予言を上回る活躍を若き彼らに期待したい。
文=勝田聡(かつた・さとし)