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ドラフト候補選手をイラスト付きで紹介する「2015ドラフト候補怪物図鑑」。
新進気鋭の女性ライター・則松（のりまつ）葉子さんが、「炎のストップウォッチャー」を連載中のキビタキビオ氏と、『野球太郎』持木編集長を質問攻めにします。
残念ながら、夏の甲子園出場はならなかった高橋純平投手。平沢選手と同様に、そのイケメンぶりに会話が弾みます。
ノリマツ（以下ノリ）：夏の甲子園は、残念ながら出場できなかった高橋純平選手。どこを探しても、悪い評価が見当たらないんですけれども…。実際のところは？
キビタ：いかにもすごいピッチャーに見えませんか？ 投げている姿もかっこいいですよね？
ノリ：そうですね、春のセンバツで見ましたが既にプロのピッチャーみたいです。
持木：身長も183cmで、すらっとしていて、もっと高く見えるほど。手足が細く長くてね。
キビタ：そう、その手足の長さ、この身体がもうピッチャーとしての財産なんです。あんまり腕が長過ぎてもダメなんですが、長くて細いとムチのように腕がしなり、末端の速度も速いんです。これは資質、器が備わっているということです。
ノリ：なるほど、見たまんま、そのまんまの優秀なピッチャーだと。
キビタ：投球姿を見ただけでも、他のピッチャーとくらべても抜きん出ているし、ちょっと別次元のピッチャーだとわかるほどですね。
キビタ：顔も見てください。この朝ドラのヒロインの相手役にいそうな、爽やかな顔立ち。
ノリ：向井理にちょっと似ていますね。のっけからずっと褒め殺しですが（笑）。
持木：平沢選手（大河／仙台育英）とは違ったタイプの、正統派イケメンですね。実際、育ちがいい良家のご子息らしいです。余裕と自信を感じさせます。
キビタ：それ、それです。春のセンバツでも、マウンドに立ってニヤニヤしているんですよ。バッターをなめているような、見くだすような眼差しで、自信たっぷりに。
ノリ：それ、嫌なヤツじゃないですか!？
キビタ：いや、ピッチャーにとってはいいことなんです。ビクビクしていると相手にも伝わるし、ピッチングにも出てしまう。
ノリ：打てるもんなら打ってみろ！ って方が、腕も思い切って振れますしね。
キビタ：U−18ベースボールワールドカップでは、いつもより少し緊張感が見られました。それは、世界を相手に日本代表として戦うというのは、甲子園より重いものがあると選手たちはみな言いますからね。
ノリ：高橋選手は、私の母でもファンになってしまうような、老若男女が求める理想のピッチャー像という気がしてきました。
持木：そうですね。右の本格派というのは、日本人のイメージするエース像ですからね。150キロを超えるストレート、これもそう。
ノリ：ストレートがすごいのは私でも見ればわかりますが、変化球などはどうなんでしょう？
キビタ：変化球もスライダー良しカーブも良し。腕をビュッと振って曲がっているので、調子の良い時は、どの球種のボールがくるかバッターはわからない、というクオリティーの高い変化球を持っていますね。
ノリ：夏はケガで予選も投げずに終わってしまったとあって、U−18ではスカウト陣も高橋選手の登板に注目していたのではないですか？
キビタ：スカウト的には情報も入ってきているし、その資質には確信があったと思いますが、ファン的にはね（笑）。
持木：現場スカウトは球団首脳を説得するためにも、あそこで彼が投げたという材料が必要なわけです。
もしU−18で投げなければ、3位あたりで指名となるかもしれなかったところを、1位で指名するエビデンスを得たとも言えます。ただし、あの田中将大投手（ヤンキース）ほど、プロに入って１年目で、すぐにあそこまで活躍するかというと、少し時間がかかるかもしれませんね。
キビタ：晩成型かもしれません。2年くらいは必要かな。まだ細いしね。いく球団によっても（成長具合が）変わってくる可能性もありますね。
持木: 身体も一回り大きくなって、うまく育てば、侍ジャパンの前田健太投手（広島）レベルのエース、さらには日本を代表する投手になる、将来性と可能性を秘めた逸材であることは間違いありません。
複数球団がドラフト１位指名を狙う高橋投手。テクニックやプレーの話があまり出てこないのは、その資質は「言うことなし」という証拠。ドラフト前にも関わらず、すでにプロ入り後の活躍を期待させる将来性の高い大本命だ。
取材・文＝則松葉子（のりまつ・ようこ）
ラジオ局勤務後フリーのライターとして美容やカルチャー、広告コピーを中心に執筆中。野球に関してはほぼ新人。春夏の甲子園と奇数月の大相撲を楽しみに生きている。スタイルにこだわらない柔軟なライティングがモットー。
イラスト＝横山英史(よこやま・ひでし)
野球を題材にしたイラストを得意とするイラストレーター。スポーツ雑誌のイラストや、メジャーリーグ カンザスシティ・ロイヤルズのクラブハウスに飾られているチーム歴代プレーヤーを描いた作品なども制作。
出演者＝キビタキビオ（きびた・きびお）
野球のプレーをストップウオッチで測る記事を連載中。NHKBS1で放送されているプロ野球ドキュメント番組「球辞苑」などに出演するなど、活躍の幅を広げている。
出演者＝持木秀仁（もちき・ひでと）
ご存じ、本誌『野球太郎』編集長。今夏は甲子園大会の盛り上がりと相まって、週刊誌やテレビなどの取材を数多く受けた。
