10月17日に迫るドラフト会議。今回は、“贔屓球団のドラフト全順位の指名要望”という企画なので阪神を選んだ。
贔屓球団…がどんどん思い浮かばなくなる日々だが、関西在住ということもあり、阪神の試合を観る機会が多い。チーム構成とともにオススメの指名を考えてみたい。
奥川恭伸(星稜高)の1位指名は満場一致ではないだろうか。もともと阪神は完成度の高い投手を好む。2008年に分離ドラフトが廃止され、一本化されてから、1位指名した高校生は藤浪晋太郎のみ(外れも含む)。極めて保守的であるが、奥川はその傾向から外れて指名するだけの価値がある。
若手の右腕では望月惇志、才木浩人らが芽を出しているが、まだ安泰というわけではない。外れたとしても西純矢(創志学園高)が残っていれば、狙うべきだ。
中村剛也や山川穂高のような176センチ105キロのぽっちゃりスラッガー・片山勢三(パナソニック)。これはかなり“希望”に寄った指名要望だ。これまでの阪神の野手指名も保守的に見える。基本的には“三拍子揃った”選手が大好きなのだ。
阪神のドラフト戦略において“長打力”は三拍子に附随する副産物。中谷将大、陽川尚将、江越大賀などには、「新庄(剛志)みたいにならないかな〜」という希望的観測の匂いを感じてしまう。大砲候補を獲っていないから大砲が育たない。
しかし、近年は大山悠輔を獲得したり、2017年には抽選を外したものの清宮幸太郎(日本ハム)、安田尚憲(ロッテ)にチャレンジしたり、なかなか意欲を感じる。ならば、「パンチ力がある」程度ではなく、ガッツリ大砲の片山にチャレンジすべき。セ・リーグ3位のウエーバーを考えて、2位でい行くべき。
阪神がマークし続けている外野手。三拍子揃った外野手で一見「阪神が好きなタイプ」。しかし、高卒3年目と若く、右打ち。外野手は20歳前後が皆無のため、チーム編成的にオススメしたい。
理由は2位の片山勢三と同様。スラッガー候補を抑えたい。4、5位指名の予想が多いが、右のスラッガーはどこも枯渇気味で井上は想像以上にドラフト人気が出そう。
世代的には高卒捕手を育てていきたいところ。奥川を獲得できたならば、超強肩の山瀬慎之助(星稜高)をセットで獲るのも面白い。東妻純平(智辯和歌山高)、水上桂(明石商高)あたりも候補。
左腕育成に成功しており、流れに乗りたい。188センチ88キロの長身で最速147キロに到達した佐藤一磨(横浜隼人高)など、素材型の高卒左腕が今年は豊作。
オフの退団はここまでのところ8人。FA戦線も見据え、今年は6、7人の指名になると見た。
文=落合初春(おちあい・もとはる)