投手陣では成瀬善久が瀬戸際だ。2014年オフにロッテからFAでヤクルトに加入するも、3年間でわずか6勝。今季は1軍デビューを果たした2006年以降、キャリアワーストとなる12試合の登板で未勝利。戦力になれなかった。契約更改では86パーセント減となる1億2400万円ダウンの2000万円(推定)でサイン。会見では「迷惑しかかけてない。なんとか契約させてもらった」とコメント。来季は、ダメならクビを覚悟して臨むことになりそうだ。
また、中継ぎの平井諒も追い込まれている。右肩の故障もあり一時的に育成契約となっていたが、2016年のシーズン半ばに復帰。33試合を投げて1勝1敗7ホールド、防御率2.81と復活し、今季は中継ぎの一角として期待されていた。しかし、再び右肩痛の影響で登板はわずか4試合。防御率10.13と散々な成績だった。2軍では17試合で2勝5セーブ、防護率4.76と防御率は物足りないが、及第点か。しかし、1軍で結果を残せなければ、来オフも契約更改とはならないかもしれない。
幾度となく故障からよみがってきた館山昌平も今季はわずか2試合の登板に終わった。来季は3年契約の3年目。自身の引き際を考えることにならないよう、復活を期待したい。
野手に目を向けると武内晋一が気になる。2014年以来3年ぶりに100打席以上のチャンスがあったものの打率.204(93打数19安打)。畠山和洋の離脱があり、レギュラー奪取のチャンスだったが生かすことができなかった。今季、同期の飯原が戦力外となり、武内にも焦りはあるだろう。再びレギュラー争いに加わりたい。
外野手では比屋根渉の名前が挙がる。リーグ優勝を果たした2015年にはおもに1番打者として84試合に出場したがその後、出場機会は減少。今季はキャリア最少となる35試合の出場に終わっている。同じ右打ちの外野手である塩見泰隆(JX-ENEOS、4位)が加入し、来季は正念場となりそうだ。
来季の成績によっては戦力外となりそうな5人の選手たち。しかし、今季の悔しさをバネに「まだまだやれる」姿を見せることができれば、契約更改につながるだろう。また、レギュラー争いに加わることはもちろんだが、戦力外とならないように努力する姿を見せることで、チームが活性化することを期待したい。
文=勝田聡(かつた・さとし)