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【甲子園がすべてじゃない!?】金足農出身のプロ選手は? 名門、古豪、進学校、無名校…。プロ野球選手の出身高校を分類!

文=落合初春

金足農出身のプロ選手は? 名門、古豪、進学校、無名校…。プロ野球選手の出身高校を分類!
 夏の甲子園が終わり、季節は秋へと移り変わる。野球界は一気にドラフトへと突き進む。今年も好素材が盛りだくさんだ。

 甲子園を沸かせた高校にはそれぞれの歴史があり、人はそれを分類する。名門、強豪、古豪、文武両道、新興校など、その学校のキャラクターを端的に表す言葉が野球界には数多ある。

 そして、それらの高校が多くのプロ選手を輩出してきた。しかし、その一方で、甲子園とは無縁の進学校や無名の公立校からもプロ野球選手が生まれる例もある。

 プロ野球選手の出身高校を大まかに分類してみたい。

名門・強豪


 現役プロ野球選手を最も輩出しているのは、横浜の18人。松坂大輔(中日)を筆頭に、成瀬善久(ヤクルト)、涌井秀章(ロッテ)、倉本寿彦(DeNA)、筒香嘉智(DeNA)、近藤健介(日本ハム)など、そうそうたるメンバーが揃う。

 2位は16人で大阪桐蔭。中村剛也(西武)、西岡剛(阪神)、平田良介(中日)、中田翔(日本ハム)、浅村栄斗(西武)、藤浪晋太郎(阪神)、森友哉(西武)など、日本代表クラスの大物を次々と輩出している。

 競争の激しい名門を経てプロに飛び込む選手たち。「エリート街道」もプロ野球の見所のひとつだ。

古豪


 かつて著しい結果を残し、今なお一定の実力を保持する古豪勢。熟練の技、伝統の結束力を武器に地区の大きな壁となる。

 今夏の甲子園で準優勝を果たした金足農は「県立農業校」として注目を集めたが、分類すると古豪に近い。1984年夏に甲子園初出場を果たし、いきなりベスト4に進出。準決勝では全盛を誇ったPL学園をバントで苦しめ、第一の旋風を起こしている。今夏も「お家芸」は健在で、古豪ならではのノスタルジーも味わわせてくれた。

 実は金足農はこれまでに8名のプロ野球選手を輩出している。出世頭は中日時代の1988年に18勝を挙げ、最多勝を獲得した小野和幸。現役では石山泰稚(ヤクルト)も金足農の出身で、東北福祉大、ヤマハを経てプロ入りし、抑えとして活躍している。

 「お家芸のバント」で脳裏に浮かぶのは広島商。近年、県下では広陵、広島新庄に押され気味だが、バントと機動力で築いた伝統は今も健在だ。そんな広島商OBの現役選手といえば、柳田悠岐(ソフトバンク)。実は現在のプレースタイルになったのは広島経済大時代で、広島商時代は体重68キロの細身だった。

 1軍では2012年に2犠打を記録しているが、「広商出身なら実はバントがうまいのでは?」と夢想することもできる。そう思わせるのも古豪ならではのブランド力だろう。

無名校・進学校


 プロ野球のスカウトはやはり「プロ」だ。「原石」のウワサを聞き、取材に出向くと監督から「先日、○○のスカウトが来てくれて…」と聞かされることも決して少なくない。

 プロスカウトたちの眼、耳は本当に鋭い。甲子園常連校、強豪、古豪でなくとも彼らはウワサを聞けば、誰よりも早く足を運ぶ。

 「育成の星」として脚光を浴びた千賀滉大(ソフトバンク)はその象徴といえる。千賀は愛知の県立校・蒲郡の出身だが、甲子園出場はゼロ。千賀の3年時も愛知県大会3回戦で敗退しており、全国的には無名の存在だった。

 さらに極致的なのは2013年にドラフト9位でプロ入りした今野龍太(楽天)。宮城県立岩出山高校の出身だが、今野の3年時、野球部はたったの11人。しかし、今野はチームの大黒柱としてチームを31年ぶりに春季宮城大会に導くなどの活躍を見せており、まさに無名校に現れた大エースだった。

 進学校からのプロ入りも話題性が高い。2007年には道内屈指の進学校である札幌南から寺田龍平が高校生ドラフト1巡目で楽天に指名され、大いに注目を集めた。2017年、中日にドラフト6位で指名された山本拓実も県内屈指の進学校である市西宮出身。「文武両道球児」として、羨望と尊敬の眼差しを受けた。

 育成選手制度導入以降はこうした無名校や新興校からの指名も増えている。エリート、雑草、インテリなどなど、プロ野球選手の「道」が現れる経歴。今年はどんなストーリーがあるのか、ドラフトが楽しみだ。

文=落合初春(おちあい・もとはる)

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