■セ・リーグ野手:ブレイク候補@
吉川尚輝(巨人)
セ・リーグの野手でまず挙げたいのは、2016年のドラフト1位で巨人に入団した吉川尚輝。田中正義(ソフトバンク)、佐々木千隼(ロッテ)の抽選を外したあとの「外れ外れ1位」ではあるが、守備力と走力を買って、巨人が次世代の内野の要として白羽の矢を立てた。
中京学院大時代の吉川尚のポジションは遊撃だが、巨人では坂本勇人が絶対的遊撃手として君臨。現状、チームの穴となっている二塁を埋める存在として期待されている。
ルーキーイヤーの昨季は出場数が5試合と物足りない結果に終わったものの、今年の春季キャンプやオープン戦ではハツラツとした動きを披露。坂本と吉川尚の二遊間が確立されれば、他球団の脅威になるのは間違いない。ルーキー・田中俊太(日立製作所)も二塁のレギュラー候補に名乗りを挙げているが、ここは昨季の借りをまとめて返したい。
田中、佐々木もまだブレイクには至っていないので、今季本領を発揮して、首脳陣に「吉川尚を獲ってよかった」と言わせてほしい。
■セ・リーグ野手:ブレイク候補A
高橋周平(中日)
松坂大輔の話題で持ちきりの中日だが、ブレイク候補として忘れてはならないのが2011年のドラ1・高橋周平。中日の高卒新人としては球団最高の契約金1億円、年俸1200万円で契約した超期待株だったが、なかなか大爆発には至っていない。
高橋は今季で7年目、まだ24歳。しかしルーキーイヤーから毎シーズン1軍で本塁打を放っていることもあり、中堅のイメージがついてきているのは否めない。
故障の時期があったとはいえ、情状酌量の余地は少なくなってきている。首脳陣とドラゴンズファンのもやもやを解消するために、そろそろ覚醒したいところだ。
■セ・リーグ野手:ブレイク候補B
廣岡大志(ヤクルト)
ヤクルトの野手で「山田哲人二世」の呼び声が高いのが廣岡大志。入団当初の2016年、宮本賢治2軍監督(当時)をして、「廣岡を育てられなかったら指導者失格」と言わせたほどポテンシャルを高く評価されている。
その期待に応えるように廣岡は2017年の1軍デビュー戦で三浦大輔(当時DeNA、引退)から本塁打を放ち、非凡な才能を見せつけた。
引き合いに出される山田哲はプロ入り3年目に準レギュラーとなり、4年目に爆発した。廣岡は今季で3年目。偉大な先輩の成長曲線を再現したい。
4回に渡ってピックアップした2018年のブレイク候補選手。ひいきの選手、気になった選手はいただろうか?
セ・リーグの野手ではほかにも大山悠輔(阪神)、細川成也(DeNA)といった面々が今季のブレイクを期待されている。また、パ・リーグの野手では宗佑磨(オリックス)なども頭角を現している。彼ら若手の姿を見ると、数年後のプロ野球界も明るいと感じる。
プロの洗礼にあえぐ清宮幸太郎(日本ハム)のオープン戦離脱は残念だが、清宮の存在を忘れさせるほどのインパクトで新たな若手が飛び出してきてほしい。
文=森田真悟(もりた・しんご)