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いよいよセンバツ開幕! 今大会で異彩を放つ2人の名監督の采配に注目


 3月20日、第88回選抜高校野球大会が開幕。今年も全国から選抜された32校の精鋭たちが、頂点を目指して戦う。

「甲子園で勝ち、頂点を極めるためには、手段を選ばない!」

 表現としては荒々しいが、生徒たちに甲子園で勝たせるために、「勝つための集団」を作り上げ、監督としても自らのロマンと夢をかけ戦う、他とは異彩を放つ2人の名監督に注目してみた。

◎秀岳館高校(熊本)
鍛治舎巧監督


 パナソニックで重役として企業マネジメントしてきた力を生かして、秀岳館高校野球部をチームマネジメントして、勝てる集団に育て上げた。

 鍛治舎監督は監督就任から、ライバル校のデータを徹底収集。相手校を丸裸にして、チーム戦略をたてる。また、ピッチングマシンの数を大幅に増やし、バッティングケージも増設。戦うための設備投資を積極的に行ったという。

 なかでも秀逸なのが人事戦略だ。自らが指揮してきた枚方ボーイズ(大阪)のメンバーが5人、監督を慕って入部。新2年生も4人加わり、レギュラー9人のうち、7人が同ボーイズ出身者だ。

 枚方ボーイズは、鍛治舎監督の手腕によって過去に何度も日本一に輝いている。主将で4番、捕手としてチームを引っ張る九鬼隆平が厳しい練習で根を上げるチームメイトに、鍛治舎イズムを伝え、チームをまとめあげた。こうして、「勝つための集団」が作り上げられていったのだ。


◎創志学園高校(岡山)
長澤宏行監督


 かつてのソフトボールの名門校、夙川学院でインターハイを8度制し、ソフトボール日本代表のヘッドコーチも務めた、熱血漢が長澤監督だ。

 2005年センバツでは、創部3年目の神村学園を、いきなり準優勝に導いて周囲を驚かせた。創部まもないチームを短期間で「勝つための集団」に作り上げる、そのチーム戦略は長澤マジックとも呼ばれる。

 熱血指導は、半端のない厳しい練習で知られているが、その指導に臆することなく全国から優秀な選手が長澤監督のもとに集結する。

 チームのエースでプロ注目投手の高田萌生も、中学までは明徳義塾中で学ぶも、甲子園常連校の明徳義塾高校に進学することなく、長澤監督の野球観に惹かれ地元でもある創志学園に進んだ一人だ。

 長打は少ないが、ソフトボールで培った、スモールベースボールを徹底し、足攻で相手チームをかく乱する。まさに長澤マジックで勝ちあがる。

1回戦で強豪校に立ち向かう両監督の手腕


 頂点を目指す両チームに、まずは1回戦で立ちはだかるチームが決まった。

 秀岳館は大会第4日目に、プロ注目の左腕・高橋昂也を擁する花咲徳栄と対戦する。高橋は、昨年夏の甲子園大会で2年生ながら、東海大相模戦でリリーフ登板。のちの優勝する東海大相模打線を苦しめ、あと一歩のところまで追い詰めた好投手だ。

 創志学園は、大会第5日目に、松葉行人、菊地大輝のWエースを擁する東海大甲府と対戦する。

 東海大甲府は昨年夏の甲子園大会3回戦で早実に敗れたものの、Wエースがともにマウンドを踏んでいる経験は大きい。

 秀岳館、創志学園とも、初戦の相手は難敵だ。頂点を極めるために「勝つための集団」を作り上げてきた両監督が強豪校にどう立ち向かうか、その手腕を楽しみに見たい。

文=まろ麻呂
企業コンサルタントに携わった経験を活かし、子供のころから愛してやまない野球を、鋭い視点と深い洞察力で見つめる。「野球をよりわかりやすく、より面白く観るには!」をモットーに、日々書き綴っている。

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