8月31日に通算755本塁打を放ち、ハンク・アーロンに並んだ王貞治(当時巨人)。この記録を抜く瞬間が訪れたのは9月3日のヤクルト戦。フルカウントから鈴木康二朗が投じたボールを、いつものようなスイングで強く叩くと、ライナーで右翼スタンドに突き刺さった。バックスクリーンに燦然と輝く「756号」という文字が表示され、後楽園球場全体からは鳴り止まない大歓声。日本から世界一の記録が生まれた瞬間だった。