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【高校野球】ドラ1が5人もいた2013年メンバー!同じく大会準Vに終わった今大会メンバーのプロ入りは?

初の世界一を目指した高校野球日本代表。結果はご存じの通り、準優勝に終わった。

今後の注目は、やはりメンバーたちの進路だろう。今大会メンバーと比較して、モノサシとなるのが今大会と同様に準優勝に終わった、2013年の前回大会に出場した日本代表だ。ここでは改めて、近年最強の2013年メンバーを振り返ってみたい。


半数以上の12人がプロへ うち5人はドラ1で華々しく入団


決勝ではアメリカに2対3で惜敗した、2013年のU-18日本高校野球代表。しかし大会を通じて、守っては松井裕樹(桐光学園→楽天)、安楽智大(済美→楽天)が相手をキリキリ舞いさせ、攻めては森友哉(大阪桐蔭→西武)、渡辺諒(東海大甲府→日本ハム)らがメッタ打ち。

日本戦でKOされたベネズエラの投手が、宝物のはずのグローブをベンチ脇の冷水ポリタンクにブチ込んでひと暴れした後、頭を抱えてシクシク(涙)という痛ましい奇行が目撃されたのもこの年だった。また、別の投手は、打たれた腹いせにベンチのパイプイスを蹴り上げる始末…。
対戦相手を高校生にあるまじき行為に駆り立てるほど強かった。

それを裏付けるように、出場20選手のうち12人がプロへ。甲子園V腕の高橋光成(前橋育英→西武)も安楽とともに飛び級で選ばれており、上の4人と合わせた5人がドラフト1位の勲章を手にプロ入りした。

昨年の18-Uアジア選手権代表(18人)のプロ入りは7人で、1位は高橋と岡本和真(智弁学園→巨人)の2人。阪神・藤浪晋太郎(大阪桐蔭)と日本ハム・大谷翔平(花巻東)を擁した2012年の18-U世界野球選手権大会代表20人からのプロ入りは8人。1位は藤浪、大谷、森と広島・高橋大樹(龍谷大平安)の4人だから、前後の年と比べても2013年は頭一つ抜けている感じだ。

それぞれが次のステージで活躍 プロ入り組では上林がリベンジ


プロ1年目から結果出している松井、森、高橋だけでなく、他のメンバーもそれぞれが次のステージで活躍中。プロ入り組では、田口麗斗(広島新庄→巨人)が2年目の今年4月に初先発初勝利の鮮烈デビューを飾れば、上林誠知(仙台育英→ソフトバンク)も、8月25日に先発2試合目で決勝の逆転満塁ホームランを放ち、満塁弾の球団最年少記録を更新した。

2人に共通するのは、ともにU-18では脇役だったこと。特に上林は仙台育英の主将兼4番打者ながら、外野のポジションをチームメートで本職ショートの熊谷敬宥(現立教大)に奪われ、1塁コーチャーとしてかいがいしく世話をする姿もどこか悲しかった。

それから2年。ファームで打率と盗塁の2部門でトップに立つと満を持して1軍昇格。あの層の厚いソフトバンクでチャンスをつかみ、さらにそれをモノにしたのはお見事!

安楽、森とともに大会ベストナインに救援部門で選ばれた山岡泰輔(瀬戸内)は、社会人・東京ガスのエース。大学進学組にも1年生から試合に出ている選手もおり、今となっては「強かったのも当たり前」と納得のメンツだ。

◎各校キャプテンと4番バッターがズラリのドリームチーム
2013年のチームも大阪桐蔭の西谷監督が指揮を執っていたが、今年と違うのは、先発が以下のメンバーでほぼ固定されていたこと。
1.(右)吉田雄人(北照→オリックス5位)
2.(左)熊谷敬宥(仙台育英→立教大)
3.(捕)森友哉(大阪桐蔭→西武1位)
4.(指)内田靖人(常総学院→楽天2位)
5.(一)園部聡(聖光学院→オリックス4位)
6.(二)奥村展征(日大山形→巨人4位※FAの人的補償でヤクルトに移籍)
7.(三)渡辺諒(東海大甲府→日本ハム1位)
8.(中)森龍馬(日大三→法政大)
9.(遊)竹村春樹(浦和学院→明治大)

穴もスキも見あたらないが、それもそのはず。4番内田から7番渡辺までの4人は、いずれも高校では4番打者で、吉田、奥村、渡辺と両森は自チームの主将も務めていた。チーム全体でも各校の4番打者が8人、主将が7人と、肩書きも豪華な選手が勢ぞろいし、名実ともにドリームチームだった。

今大会のメンバーに話を戻すと、最優秀守備選手に選出されたオコエ瑠偉が、早速のプロ入りを表明している。また、今大会では攻守にわたり存在感をみせた平沢大河や、投手陣では佐藤世那、高橋純平らもプロ入りが濃厚。プロ志望届けを提出すれば、上位指名が予想される。

果たして、今年のメンバーから何人のプロ選手が誕生するのか。ドラフトまでの経緯を見守りたい。


■ ライター・プロフィール
小林幸帆(こばやし・さほ)/野球狂の母親に連れられ、池田がPLに負けた一戦を甲子園で見た小2の夏休みから高校野球ファンに。ヤクルト大好きの女子高時代は、ビニ傘片手に放課後を神宮球場で過ごす。大学在学中のドイツ留学がきっかけで、会社員を経たのち再びドイツへ渡り、サッカーとノルディックスキーの取材を始める。帰国後は翻訳通訳者としても活動中。京都大学総合人間学部卒。

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