ヤクルト対オリックスといえばこの2人しかいないだろう。
ヤクルトとオリックスが対戦した1995年の日本シリーズ第4戦。1対1の同点で迎えた延長11回裏、ヤクルトは1死一、二塁とチャンスを作る。ここで、バッターボックスに入ったのは主砲・オマリー氏。オリックスのマウンドに立つのは第5戦で先発予定だった小林宏氏だ。
2人の対決は小林氏が2球でツーナッシングと追い込んだものの、オマリー氏がファウルで粘り実に14球に及んだ。最後はオマリー氏が真ん中低めのストレートを空振り三振。小林氏に軍配が上がった。この再戦を『交流戦SERIES』でもう一度見たいと思うのは筆者だけではないはずだ。
現在、小林氏はオリックスで2軍投手コーチを務めており、快く協力してくれるだろう。オマリー氏は昨年まで阪神でコーチを務めていたが、今シーズンは契約していない。時間的な支障はないと思われる。
■対決するレジェンド
オリックス:小林宏2軍投手コーチ
ヤクルト:トーマス・オマリー氏
『交流戦SERIES』にやってくる日本ハムのレジェンドは、ヤクルト、日本ハムでリーダーシップを発揮したこの人しかいない。そう、稲葉篤紀氏だ。
1990年代後半からヤクルトを支え、2001年の優勝時には打率.311で貢献。2005年に日本ハムへ移籍してからは2007年に首位打者を獲得するなど、両チームで活躍し続けた。現役通算20年で2167安打を放ち、名球会入りも果たしている。
稲葉氏は2014年の引退後もスポーツ・コミュニティ・オフィサーとして日本ハムに残り、現役時代に背負った「41」の背番号を今も着用している。『交流戦SERIES』では、背番号「41」で打席に立ってくれるだろう。
稲葉氏を迎え撃つ投手として、ヤクルトから選出したのは、個人的に思い入れの強い高市俊氏だ。
青山学院大時代は3季連続でMVP、最優秀投手、ベストナインの三冠に輝くなど、「東?の浮沈艦」と呼ばれた。しかし、2006年の希望入団枠でヤクルトに入団するも、プロの世界では1勝も挙げることができずに2011年に引退となった。
高市氏は引退翌年から、日本ハムの打撃投手を務めている。肩はできているはずだ。ヤクルトでは結果を残せなかったが、大学時代から慣れ親しんだ神宮球場での『交流戦SERIES』で、「未完の大器」で終わった無念を晴らしてほしい。
■対決するレジェンド
日本ハム:稲葉篤紀氏
ヤクルト:高市俊氏
ロッテOBで協力を願いたいのはグライシンガー氏だ。
2007年にヤクルトで16勝をマークし、最多勝を獲得。ヤクルトに在籍したのはその1年間だけだったが、移籍先の巨人(2008年〜2011年)、ロッテ(2012年〜2014年)でも実力を発揮。NPB通算64勝をマークした優良外国人投手だ。
ロッテでは移籍初年度の2012年に12勝を挙げている。最終年の2014は登板ゼロに終わったが、『交流戦SERIES』ではロッテファンも快く迎えてくれるだろう。
ヤクルトはホワイトセル氏がグライシンガーに挑む。2011年から2011年にかけてのヤクルト時代には、2年間で27本塁打の本塁打を記録。しかし、移籍先のロッテでは活躍できなかった。ロッテ時代で最も話題となったのは、フルスイングしたバットが捕手に直撃したことだろうか……。
なお、ロッテでの2年間はグライシンガー氏と同僚でもあった。両チームでプレーした外国人選手の対決に期待したい。
■対決するレジェンド
ロッテ:セス・グライシンガー氏
ヤクルト:ジョシュ・ホワイトセル氏
2週にわたり筆者が勝手に予想したヤクルト版『交流戦SERIES』。読者の方々もひいきチームにおきかえて想像を巡らせてみてはいかがだろうか。レジェンド、未完の大器など、出場してほしい選手の名前が次々に浮かんでくるはずだ。
ファンが大きな声を挙げれば、DeNAのほかにも『交流戦SERIES』の実現に動き出す球団が現れ、動きが広がるかもしれない。
文=勝田聡(かつたさとし)