明治大から阪神のドラフト1位指名を受けて入団した高山俊。ドラフト時には、ヤクルト・真中満監督の勘違いもあり、野球以外の部分でも注目を集める格好となった。
そんな高山が持参したのは、「ふなっしー」のぬいぐるみ。実は高山は、千葉県船橋市の出身で、ご当地キャラを抱えて関西へと乗り込んだのであった。
かつてはキワモノ扱いされていた「ふなっしー」も、いまやゆるキャラ界トップクラスの存在感を誇る。地元の人気者との共闘で、プロ野球界の頂点を目指したい。
出身企業・西濃運輸のマスコットであるカンガルーの「カルちゃん」を持参して、埼玉・所沢市の若獅子寮に入寮したのは野田昇吾。
ドラフト3位で入団した野田は、指名を受けた直後の記者会見でも、「カルちゃん」を持って登場。同じ西濃運輸出身の先輩・高橋朋己投手への弟子入りを志願している。
常に出身企業のマスコットを抱えてメディアに登場した野田。少しでも西濃運輸をアピールできれば……という愛社精神あふれる左腕が活躍すればするほど、出身企業イメージのアップにも貢献できるはず。勝負はこれからだ。
高山や野田らが持参したぬいぐるみには、ご当地キャラであったり、出身企業のキャラであったり、それなりの理由があった。しかし、不可解な事例もある。
堀内謙伍(楽天ドラフト4位・静岡高)と、谷川原健太(ソフトバンクドラフト3位・豊橋中央高)、木下拓哉捕手(中日3位・トヨタ自動車)は、まるで打ち合わせをしたかのように、同じクマのぬいぐるみを持って入寮。チームが異なる3人が、なぜ同じぬいぐるみを持って入寮したのか? 謎のままだ。
昨年は、DeNAの山崎康晃が犬のぬいぐるみを持参して見事、セ・リーグ新人王に輝いた。今年は、どのぬいぐるみが…ではなく、どの選手が活躍するか、注目したい。
文=藤山剣(ふじやま・けん)