もちろん、遊撃が空いたからといって、平沢の出番が約束されているわけではなく、ライバルは多い。
2014年のドラ1で、2015年、2016年と主に二塁や三塁の守備につき100試合以上出場している中村奨吾。内野のユーティリティープレーヤーで今季が4年目となる三木亮や大嶺翔太。さらに、打撃で実績を残している細谷圭、高濱卓也も経験はある。場合によっては、遊撃で起用される可能性がないわけではないだろう。
そんな状況下でスタートしたオープン戦。2月25日の浦添でのヤクルト戦、26日の那覇での巨人戦では、いずれも中村が「1番・遊撃」でスタメン起用された。
初戦は4打席ノーヒットながら2四球と出塁し、いずれも本塁まで生還。2戦目も5打席で1安打、1四球、1犠打、1盗塁とまずまずの結果を残した。
一方の平沢は、初戦が代打で三振、2戦目も途中出場から回ってきた1打席でファウルフライと、バットでのアピールはならなかった。
開幕まで残り1カ月。ここから、中村や平沢だけでなく、いろんな選手の可能性を試しながらオープン戦を消化していくことになる。
ポジション争いが刺激となり、各選手の成長が促されれば、チームにとっても好都合。当然、伊東監督もそこまで見越しての鈴木のコンバートだろう。
平沢も、今キャンプの紅白戦や練習試合では結果を残し、2年目の躍進を予感させていただけに、ここから巻き返すはずだ。
中村か? 平沢か? はたまた他の選手が割って入るのか!? ロッテのショートのレギュラー争いから目が離せない。
文=藤山剣(ふじやま・けん)