先のストーブリーグでは断トツの注目を集めた巨人。FAで日本ハムの陽岱鋼、DeNAの山口俊、ソフトバンクの森福允彦を獲得。1シーズンでFA移籍による3選手を獲得するのは史上初だ。
さらに新外国人のマギー(元楽天ほか)とカミネロ(マリナーズ)とも契約。まさに空前の大補強といえる。
この補強によってポジション争いは激化。先発やブルペンの競争、外国人枠の問題も気になるところだが、今回はある意味で競争の結果にもたらされるポジションともいうべき「代打」に着目して、巨人の「代打事情」を考えてみた。
昨季、巨人の全代打数205に対して代打安打は35本で、代打成功率は.171。これはセ・リーグのみならず12球団の中でも最下位の成績だ。
ちなみに、セ・リーグで代打成功率1位のDeNAは代打数266、代打安打66本で成功率.248。DeNAは代打策が成功するケースが多い印象だが、それを裏づける数字といっていいだろう。
巨人の代打事情を個人別で見ると、山本泰寛(代打成功率.600)や橋本到(代打成功率.500)の成績が一見よさそうに思えるが、残念ながら少ない打席数での話。代打数10以上の選手は最高でも亀井善行(代打成功率.235)で、あとは1割台が多い。
今季はこの低調な代打成績を巻き返せるか?
現在は熾烈なポジション争いのスタート前。上記の見出しで「代打屋」とタイトルコールはしているが、あくまで「控えに回っても活躍しそうな選手」と前置きさせていただいた上で、今季、代打で活躍しそうな巨人の選手を予想してみる。
■今季、巨人の代打で活躍しそうな選手予想
◎村田修一
マギーが楽天時代の2013年並みの活躍をすれば、控えに押し出されるのは村田か。もし、村田が「代打屋」となれば、巨人の代打事情は一気に改善か。
○クルーズ
レギュラー争いもあるが、そもそも外国人枠の争いが問題。ギャレットも場合によれば……。
×吉川尚輝
大学ナンバーワン野手との呼び声が高かったルーキー。二塁のレギュラーを強奪できるか。それとも、さしあたりは「控え+代打」の役目からスタートか。
▲松本哲也
鈴木尚広が引退した現在、足のスペシャリストの「正統派後継者」はこの男。
△石川慎吾
大型トレードで吉川光夫とともに日本ハムから移籍。パンチ力抜群。
注 高橋由伸監督
もちろん現実的にありえない妄想。しかし「代打、オレ」を見てみたい!
高井保弘(元阪急)や桧山進次郎(元阪神)など、過去の実績ある「代打屋」を振り返ると、実際の代打稼業は専門職であり、決して控え選手のためのポジションではない。
しかし、少ないチャンスから成功をつかみ取ってレギュラーを奪うのも、また一つの事実。どういう起用法であっても飛躍のきっかけとしてもらいたい。
文=サトウタカシ (さとう・たかし)