Bクラスは決定的だが、打線の見どころは増えている。その中心は吉田正尚だ。今季はオープン戦で腰を痛め、戦線離脱を余儀なくされたが、7月9日に1軍に復帰。ここまで36試合で打率.331、9本塁打の好成績で完全復活をアピールしている。
さらに5月末に獲得したマレーロも好調だ。6月9日のデビュー戦では本塁打を放つもホームベースを踏み忘れアウトになるという“外れ臭”を漂わせたが、翌日にあらためてNPB初本塁打を記録すると、コンスタントに本塁打をかっ飛ばし、53試合で打率.299、13本塁打を記録している。
来季もチームに残るなら、正一塁手不在の状況に終止符が打たれそうだ。
また8月は面白い並びにも挑戦していた。1番にT-岡田を据え、2番・吉田正、3番・マレーロ、4番・ロメロと続く超重厚布陣だ。
T-岡田は打率.282、25本塁打、50打点とコンスタントに活躍しており、特に出塁率.395はリーグ3位。68四球はすでにキャリアハイの49四球(本塁打王を獲得した2010年)を大きく超えており、「選べる大砲」に進化を遂げている。
ロメロも5月のほとんどを棒に振ったが、打率.270、22本塁打。8月後半はややお疲れだったが、上々の働きを見せ、すでに2018年からの3年契約(3年目はオプション)に合意している。
打線に厚みをつけるのは、5番・小谷野栄一、6番・中島宏之のベテラン陣。両者ともにしぶとさは健在だ。
いろいろな打順を試している最中だが、外野守備に目をつぶれば1番・T-岡田から続く攻撃型オーダーは夢が膨らむ。
投手陣も山岡泰輔、小林慶祐、黒木優太、山本由伸など、期待の新戦力が結果を残しはじめている。
来季もケガ人や不調など思わぬ誤算はあるだろうが、少なくともポジティブに考えることができる素材はそろっている。T-岡田が国内FA権を取得したが、昨オフに3年契約で更新済み。オリックスファンにとっては成績以上に期待が膨らむオフになりそうだ。
(成績は8月27日現在)
文=落合初春(おちあい・もとはる)