4月9日には、プロ野球史上49人目の2000試合出場。初出場は、プロ2年目の1997年5月31日の対ヤクルト。鳥越裕介の代打として川又米利が打席に立ち、その川又に代わってショートの守備についたのが記念すべき1試合目だった。
そして、翌4月10日には、通算1900安打を達成。初安打は、1997年6月11日の対広島。試合途中から鳥越に代わってショートに入り、回ってきた打席で1本目のヒットを放っている。なお、この試合では初の失策も記録。
このように、当初は守備固めや代走での出番が多かった荒木だったが、6年目の2001年に111試合に出場し、規定打席未到達ながら打率.338と大ブレイクを果たす。
翌2002年からは、セカンドのレギュラーに定着し、ショートの井端弘和との「アライバ」も本格始動。途中、セカンドとショートの入れ替えがありながらも、2013年シーズン後に井端が巨人に移籍するまで、長らく鉄壁の二遊間を形成していた。
当然ながら、この先は2000安打という大台が視野に入ってくるわけだが、全盛期はコンスタントに120安打以上を稼いでいた荒木も、ここ3年の安打数は、2013年が75本、2014年が106本、2015年が53本と減少傾向。また、出場試合数も昨年は15年ぶりに100試合に満たなかった(97試合)。
それでも、1900安打を達成した4月10日は、レフト、ライト、センターへ広角に打ち分ける3安打をマーク。さらに、6回裏、1死一、三塁の場面で、一塁ランナーだった荒木は、サードへの平凡なファウルフライで、二塁へタッチアップ。積極走塁でファンを沸かせるとともに、まだまだ走れるところもアピールした。
ただ、この時の走塁では、次打者が4番・ビシエドにもかかわらず二塁を陥れたことで、結果的にビシエドが四球で一塁に歩かされ、後続を断たれる結果となってしまったのだが…。
1995年ドラフト1位(熊本工出身)で中日入りし、今年で21年目。9月には39歳となる荒木。1軍野手ではチーム最年長だが、このアグレッシブなプレースタイルが消えない限り、名球会入りへ着実に歩みを進めていくのではないだろうか。生え抜きのベテランのさらなる活躍に期待したい。
文=藤山剣(ふじやま・けん)