球春到来。プロ野球が動き出す季節となり、ファンとしては日々ボルテージが高まっているところだろう。そんな熱いファンに向けて、2018年のプロ野球の見どころを紹介していく。
今回は「期待」や「記録」というフィルターを通して、3人の選手をピックアップした。
2018年のプロ野球界における最大の関心事といえば、清宮幸太郎(日本ハム)の動向。高校通算111本塁打で記録を更新した逸材は、果たしてプロでも通用するのか。
ただ高卒ルーキゆえ、過度な期待は禁物。とはいえ、これまでも過度な注目を浴びながらも期待通りの結果を残してきた。日本ハムでも1軍のアリゾナキャンプに抜擢されたことを考えると、ワクワクしないほうが無理というものだろう。
比較対象にしたいのは、やはり松井秀喜(元ヤンキースほか)。1993年、巨人での松井のルーキーイヤーは開幕2軍スタートで、5月1日に1軍に上がってスタメンデビュー。その試合で初安打も放った。
まずは松井の1軍デビュー日を抜くことが期待されるが、栗山英樹監督なら「栗山マジック」で開幕スタメン起用もあるかもしれない。
突如、降って湧いたイチローの日本復帰報道も気になるところ。
実現したら、実に18年ぶりの日本のプロ野球チームのユニフォームに袖を通すことになるわけだが、筆者としてはどのチームでもいいので見てみたい気持ちでいっぱいだ。
現在44歳のイチロー。年齢がネックというフシがあるが、44歳でマーリンズのシーズン最多代打安打を更新するなど結果は残せている。しかし、メジャーで「代打の神様」になるならば、まずは今季の契約を結ぶことが必要だ。
日本の球団なら三顧の礼で迎える球団も多いだろう。また、プレーしやすい環境を作ってくれるはず。「故郷に錦を飾る」という意味でも、筆者としてはキャリアの最晩年は日本でプレーしてほしいという思いが強い。
昨季の川崎宗則(ソフトバンク)のように、開幕直後の「急転直下契約」もあり得るので、動向を見守りたい。
「2018年に達成されそうな記録」も気になるところ。特に注目したいのが、あと岩瀬仁紀(中日)の1000登板だ。大台まで、あと46登板に迫っている。
昨季までの954登板はプロ野球の最多記録なので、今の岩瀬は登板するたびに記録を更新する状況。昨季のようにフルで働くことができれば、日本では前人未到の4ケタ登板が見えてくる。
金田正一(元国鉄ほか)の400勝、王貞治(元巨人)の868本塁打を「超えられない記録」と称することがあるが、岩瀬の登板記録もそんな偉大な記録のひとつに数えられるだろう。
二刀流の申し子・大谷翔平(エンゼルス)が海を渡り、話題性という面で今季のプロ野球は寂しさがあるのではと考えることもあった。
しかし清宮が「大谷ロス」を埋め、イチローの復帰報道が流れるなど、どこまで行っても話題は尽きない。これもプロ野球の底力。長い歴史はダテではない。
今後もさらに増えていく今季のプロ野球の見どころ。次回もキャッチーな話題をお届けするのでお楽しみに!
文=森田真悟(もりた・しんご)