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《新人王争い中間報告》そろそろ忘れてはいないか!? セ・パともに本命、対抗がデッドヒート中!


 夏の甲子園が終わり、野球界はプロ野球の優勝争いへと注目が移るこの時期。

 忘れられがちなのが新人王争いだ。春先にはあんなに盛り上がったのに有望選手たちがレギュラーやローテに定着。オールスターゲームが過ぎたあたりからニューフェイスたちは「居て当たり前」の存在になる。

 しかし、シーズン終了後のタイトル発表でふと彼らの活躍を思い出すのも忍びない。今回は終盤戦を前に今一度、新人王争いにスポットライトを当てたい。

(成績は8月23日時点)

セ・リーグ新人王争い


【本命】高山俊(阪神/外野手)
108試合:打率.272(388打数104安打)/4本塁打/43打点/5盗塁/OPS.660

 前評判の高かった高山が現時点では一歩リード。ルーキーでオールスター出場という印象点も高く、今後の期待がこもった票を集める可能性大。安定感ではピカイチだ。

 四球が少なく、出塁率が.306に留まっているあたりがどう見られるか。一朝一夕で四球を狙うスタイルにするのは難しい。今シーズンは打つしかないのだ。

【対抗】北條史也(阪神/内野手)
96試合:打率.267(281打数75安打)/2本塁打/24打点/4盗塁/OPS.702


 対抗に挙げたいのは同じく阪神の北條。4年目の今年は新井良太&今成亮太の“永遠の若虎勢”からサードのポジションを奪うと、ついには不調の鳥谷敬に代わってショートの定位置までつかんでしまった。

 甲子園の内野三塁側を3枚抜いての大出世。高山より打席数は少ないものの、18本の二塁打(高山は14本)を放つなど中距離打者としての才覚を見せており、出塁率も.343で高山を一歩リード。終盤戦の活躍次第では入れ替わりも十分にある位置までジリジリと来ている。

【次点】今永昇太(DeNA/投手)
17試合:6勝8敗/投球回104.0/防御率2.94/102奪三振

 本来であれば対抗に据えたいルーキーだが、6月下旬から約1カ月、無理をせずに2軍でコンディション調整を行っていたため、規定投球回数に届いていない(8月23日時点ではあと12回)。

 しかし、このまま無事に投げ続けることができれば到達圏内。現時点でも102奪三振はリーグ9位タイにつけており、仮に規定投球回に達しているとすれば、防御率は6位になる。

 これだけでもすごいが、2ケタ勝利のインパクトがあれば、一気に大逆転もありうる。逆に6、7勝で留まった場合は押しが足りないかも知れない。ここからが勝負だ。

パ・リーグ新人王争い


【本命】茂木栄五郎(楽天/内野手)
84試合:打率.269(297打数80安打)/1本塁打/28打点/9盗塁/OPS.671

 パ・リーグは本命2人の大混戦で他の追随を許さない展開。1人目は茂木だ。ドラフト3位ながら、楽天初の新人開幕スタメンに抜擢されると、走攻守で高い能力を示し、クリーンアップも任されている。

 6月末に交錯プレーで右手甲を負傷。8月4日に1軍に戻ってきたため、規定打席には到達していないが、調子は上々。ルーキー割増もあり、第一候補といってもいいだろう。

【本命】高梨裕稔(日本ハム/投手)
32試合:7勝2敗1ホールド/投球回81.2/防御率1.65/65奪三振

 もうひとりの本命は3年目の高梨。今季は糸を引くようなストレートと大きなカーブのコンビネーションが冴え渡っている。シーズン当初は便利屋リリーフのポジションだったが、結果を残して6月から先発に昇格。目下5連勝中で8月13日の楽天戦では初完投初完封も達成した。

 規定投球回には達していないが、シーズン当初はリリーフだったことを考えるとマイナスにはならないだろう。むしろ、大卒3年目の25歳というところが投票する記者たちの目にどう映るか。高梨の投球は堂々とした落ち着きがあり、かえって新人らしくないと思われてしまう恐れもある。

 しかし、日本ハムが大逆転優勝を果たすならば、話は別。年齢割引以上の優勝御祝儀が上乗せされるのは必至。10勝+優勝ならば、茂木を抑えて新人王獲得は濃厚だ。


文=落合初春(おちあい・もとはる)

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