近畿地区の注目選手、出場校紹介
<近畿地区・センバツ注目選手紹介>
乾 陽平
報徳学園高校新3年/投手/右投右打/180センチ72キロ
ここに注目ベスト3
1.「2年春からの成長力」
2.「自ら改良して武器となったスライダー」
3.「キレあるストレート」
どんな選手?/高校入学から球速は20キロ以上アップ、2年春から急激に成長してきた。2年秋の直前にスライダーの握りを変えた。自分でいろいろ試し、キレ、変化量が最適になる握りを編み出すと、近畿大会準優勝という結果をもたらす大きな武器となる。また、昨秋の県大会から近畿大会まで公式戦10試合全てに完投し、近畿大会決勝戦は敗れるも延長13回まで投げきるスタミナがある。
一冬を越えてここに注目!/昨年の冬のトレーニング効果が2年春以降の成長の源になった。このままの成長曲線を保てれば、乾本人は興味ないかもしれないが、「150」という数字がついてくるかもしれない。
プロ選手で例えたら…前田健太(広島)
榎本 和輝
京都翔英高校 新3年/投手/右投右打/181センチ74キロ
ここに注目ベスト3
1.「楽に広角に強く打てる」
2.「生まれ持ったような雰囲気」
3.「スタミナ十分」
どんな選手?/京都大会、近畿大会と初制覇を達成したエースで4番。昨秋の近畿大会は久しぶりのマウンドだったが、いきなり完封か、と思わせるピッチングを披露した。力強いストレートもあるが、うまく落とすチェンジアップも魅力あるボールだ。それ以上に光るバッティング。こちらも強さとうまさを兼ね備えており、勝負強さもある。そして、京都翔英のエースナンバー「18」にこだわり、投げるからには三振をたくさん取りたいと意気込む、勝ち気な性格にも期待したい。
一冬を越えてここに注目!/“食トレ”を徹底していることでさらに大きくなるだろう体から、うまさが逃げていないかチェックしたい。
プロ選手で例えたら…小久保裕紀(元ソフトバンク)
森 友哉
大阪桐蔭高校 新3年/捕手/右投左打/170センチ80キロ
ここに注目ベスト3
1.「自由自在のバッティング」
2.「守備ワーク」
3.「プレッシャーの中、自分を見失わず戦えるか?」
どんな選手?/藤浪晋太郎(阪神)のボールを受け続け、春夏連覇を支えた。18U世界選手権では疲れからかキャッチングミスが目立ったが、そこまで悪い印象はなく、むしろ藤浪と組み続けて上達が見られる。その他の部分、打撃、走塁、守備ワーク、肩は高校トップレベルの域に達している。あとは、プロのスカウトが170センチの身長と捕手というポジションをどう見るかだ。
一冬を越えてここに注目!/今年の大阪桐蔭はタイプの違う複数投手で戦ってくるだろう。それぞれの投手を生かせることができるリードをして、「やっぱり森はキャッチャーだ」という印象を強めることができるか!?
プロ選手で例えたら…捕手転向したダスティン・ペドロイア(レッドソックス)
立田 将太
大和広陵高校 新2年/投手/右投右打/181センチ82キロ
ここに注目ベスト3
1.「最速149キロのストレート!」
2.「バランスもよく試合中の修正能力も高い」
3.「右にも大きく打てるバッティング」
どんな選手?/中学から地元では有名な投手で強豪私学に進むと見られていたが、県立大和広陵高校に進学。大事に使われ、育てられ、昨秋に149キロを計測した。1年生で140キロ後半を出す投手というと荒々しさを想像してしまうが、立田はまとまっているフォームで、投げながら調整ができ、尻上がりに良くなるタイプで自ら崩れる要素は少ない。
一冬を越えてここに注目!/立ち上がり、スタミナ、細かいコントロール…などまだ新2年生、課題は次々に挙げられるが、試合での修正能力を見ると課題は自然と解消していきそうだ。それよりも長所であるストレートの威力を増すことを意識して、「津田恒実(元広島)のようになってほしい」と若井康至監督が望むことが現実的に見えるかチェックしたい。
プロ選手で例えたら…津田恒実(元広島)
田中 鳳真
京都翔英高校 新3年/遊撃手/右投左打/180センチ66キロ
ここに注目ベスト3
1.「やってくれそうな雰囲気がある」
2.「3拍子揃った大型ショート」
3.「攻守両面で勝負強い」
どんな選手?/180センチあるため、体の線はまだ細いが、球際、肩の強さが守備面の持ち味。バッティングでは観戦した試合ではからっきしタイミングが合わなかったが、それでも構えた時には「打ちそうな気」が勝手にする。他の試合では結果を残し、公式戦14打点はチーム最多でポイントゲッターとして活躍する。
一冬を越えてここに注目!/公式戦で4割以上の打率を残しながら、長打は二塁打が2本はさびしい。足もあるので、体をボリュームアップさせて、外野の間を割るバッティングが出来るようになれば、三塁打が増え、さらなるチームの得点力アップに繋がるだろう。
プロ選手で例えたら…野村謙二郎(元広島)まで上りつめられたら
<近畿地区・センバツ出場校紹介>
京都翔英高等学校(京都府) 監督・太田 弘昭 主将・山口 翔悟
秋季京都府大会:優勝 近畿大会:優勝 明治神宮大会:1回戦
どんな高校?/昨秋、初めて府大会優勝、初出場の近畿大会でも優勝。太田弘昭監督が就任後、「今までの京都にない野球をしたい」「打ち勝ちたい」とチームを作り、やっと花を咲かせた。投打の柱である榎本を3番キャッチャーの山口、ショートの田中などが支える。榎本が登板しなかった京都府大会を投げ抜いた八木も有望な2年生投手として控える。
報徳学園高等学校(兵庫県) 監督・永田 裕治 主将・松谷 竜暉
秋季兵庫県大会:優勝 近畿大会:準優勝
どんな高校?/名門校が2年ぶり甲子園に帰ってくる。安定したエース乾にバックの守りもよく、失点は計算できる。攻撃は1番を打つ勝岡を筆頭に足を生かせる選手が多く、ダイヤモンドをかき回していく。ここに片浜、松谷の打力が加わったが、センバツで鍵を握りそうなのは3番を打つ岸田。昨秋は1本塁打は記録したが、もっと率を高めれば、強力な攻撃ができるだろう。まだ新2年生、これからの成長に期待したい。
大阪桐蔭高等学校(大阪府) 監督・西谷 浩一 主将・森 友哉
秋季大阪府大会:準優勝 近畿大会:ベスト4
どんな高校?/旧チームが春夏連覇し、主将の森友哉が高校日本代表に選ばれ、新チームのスタートは遅れ、練習試合が4試合で公式戦に入っていった。経験不足と不安視された投手陣では葛川の好投が光った。それに?西、網本と素質あるピッチャーが揃う。野手は森友哉に、甲子園優勝メンバーの笠松、水谷、公式戦出場経験のある辻田、近田が引っ張っていくが、レギュラー、背番号を取ってやろうという選手がゴロゴロいるチームだけに冬を越えて、新戦力の台頭があるかもしれない。
龍谷大平安高等学校(京都府) 監督・原田 英彦 主将・有田 浩之
秋季京都府大会:ベスト4 近畿大会:ベスト4
どんな高校?/?橋大樹(広島)など力のある選手が多く、不安が多かった。原田監督自身も「夏を目指す」と言ったが、投手・福岡の活躍により少ない失点でゲームを展開、白星を重ねていった。一方、野手では、キャッチャーの横山、ショートの石川、センターの徳本とセンターラインに並ぶ新2年生の成長が目立った。彼らがセンバツでもキープレーヤーになるはずだが、それ以上に秋の公式戦で不発だった、有田、嶋田の復活がなければならない。
履正社高等学校(大阪府) 監督・岡田 龍生 主将・沖田 勝俊
秋季県大会:優勝 近畿大会:ベスト8
どんな高校?/センバツは3年連続の出場。昨春のセンバツでも登板した3枚の投手(東野、東、阪本)がそのまま残り、不安はない。3人で3回ずつ投げたこともあったが、現在は東野が先発し、東がファーストから、阪本がブルペンからいつでもいけるように待機する。打線も宮崎、沖田と旧チームからのスタメン組が中心。不安点だったキャッチャーは吉塚がレギュラーになり、近畿大会では決勝タイムリーを打つなどラッキーボーイ的な活躍をした。
大和広陵高等学校(奈良県) 監督・若井 康至 主将・内田 友也
秋季奈良県大会:準優勝 近畿大会:ベスト8
どんな高校?/広陵高と高田東高が統合して、2005年に誕生した大和広陵高。広陵高が85年センバツに出場していることから、28年ぶり2回目の出場と表記されるが、もちろん、大和広陵高になってからは初出場になる。原動力となったのは2年生エースで4番の立田。立田をキャッチャーの岬を中心に堅実な守備でもり立てる。ショートの岸本の守備が少し不安だが、先頭打者としてそれを補う攻撃力がある。岸本、立田の間を打つ、平野、山口祐を加えた4人で奪った得点を守り切りたい。
文=編集部
記事タグ
この記事が気に入ったら
お願いします