7月16日から21日にかけて、毎年恒例の日米大学野球選手権大会が開催される。今年は日本開催となっており、松山・坊っちゃんスタジアム、今治市営球場、岩国・絆スタジアム、郡山・ヨーク開成山スタジアム、明治神宮野球場の5カ所で試合が行われる予定だ。すでに日本代表メンバー24名は発表されており、決戦の日に向けて調整を行っている。
その代表メンバーの中には4年生、すなわち今秋のドラフト候補たちも多い。今回は日本代表メンバーのなかでも、とくにドラフトで注目されている選手を紹介したい。
多くの球団が最上位にランクづけしているだろう投手が森下暢仁(明治大)だ。今大会の軸となる投手でもある。今春の東京六大学リーグでは4勝1敗、防御率2.03の好成績で優勝の立役者となった。大学選手権でも2試合に投げ、失点はわずかに1。最高殊勲選手、最優秀投手に選出されている。
150キロを超えるストレートにカットボール、スライダーなどを操り相手打線を手玉に取る。フィールディングも優れており、プロのスカウトによる評価もすこぶる高い。プロ志望届を提出すれば、ドラフト1位で指名されることは確実だ。
明治大のエースそして主将とくれば、故・星野仙一(元中日)、川上憲伸(元中日ほか)、柳裕也(中日)の名前が思い起こされる。そう、中日にドラフト1位で入団する面々だ。はたして、森下はどこの球団に指名されるのだろうか。
ドラフト上位で指名されそうな捕手も今大会で侍ジャパン大学代表入りを果たしている。郡司裕也(慶應義塾大)と佐藤都志也(東洋大)の2人だ。
郡司は平沢大河(ロッテ)と仙台育英高校時代の同級生でもあり、慶應義塾大1年時から話題になっていた逸材。1年秋から正捕手となり、4年春までに東京六大学リーグで81安打を放っており、通算100安打は射程圏内。ベストナインを受賞した2年春、3年春はともに19安打して打率は3割を超えた。通算100安打を手土産にプロ入りを目指す。
佐藤も郡司と同じく東洋大1年時から注目された存在。2年でレギュラーになると、春のリーグ戦でいきなり首位打者を獲得。その後、3年春をのぞいて打率3割をキープ。通算打率.331は文句なしだ。また、一塁でベストナインを受賞、侍ジャパン大学代表では外野をこなすなど、ほかのポジションへの適応力もある。
「打てる捕手」として育ててもよし、コンバートしてもよし、の逸材として人気となりそうだ。
ドラフト上位指名候補の選手は、比較的早い段階でレギュラーを獲得することがほとんどだ。4年になってから頭角を現す選手はそう多くない。そのなか、今春ブレイクし、ドラフト候補に名を連ねそうなスラッガーが現れた。安本竜二(法政大)である。
東京六大学リーグで4年春までに出場したのは10試合のみ。3年春に6試合で打率.389を記録したもののレギュラー獲得には至らず、3年秋は4試合の出場のみで安打はゼロと話題になることはなかった。
しかし、この春にリーグ記録となる5試合連続本塁打を記録。打率.362(47打数17安打)、6本塁打、16打点の成績で三塁手のベストナインに選ばれた。この活躍でドラフト候補として脚光を浴びるようになったのだ。
近年では、3年時からレギュラーだったものの、4年になってから頭角を表し、2017年のドラフト2位で楽天に入団した岩見雅紀(慶應義塾大)という存在もいる。安本も侍ジャパン大学代表、そして秋のリーグ戦で結果を出せばドラフト上位指名も夢ではない。
■侍ジャパン大学代表
・投手
吉田大喜(日本体育大4年)
森下暢仁(明治大4年)
伊藤大海(苫小牧駒大3年)
山崎伊織(東海大3年)
早川隆久(早稲田大3年)
村上頌樹(東洋大3年)
内間拓馬(亜細亜大3年)
佐藤隼輔(筑波大2年)
・捕手
郡司裕也(慶應義塾大4年)
佐藤都志也(東洋大4年)
海野隆司(東海大4年)
古川裕大(上武大3年)
・内野手
柳町達(慶應義塾大4年)
安本竜二(法政大4年)
篠原涼(筑波大4年)
元山飛優(東北福祉大3年)
児玉亮涼(九州産業大3年)
小川龍成(國學院大3年)
牧秀悟(中央大3年)
田中幹也(亜細亜大1年)
・外野手
宇草孔基(法政大4年)
竹村陸(近畿大4年)
丸山和郁(明治大2年)
森下翔太(中央大1年)
文=勝田聡(かつた・さとし)