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広島の有望選手、大会展望

7月11日〜27日(しまなみ球場ほか)

センバツを沸かせた山岡がキレを増した
強力な打撃陣を誇る広陵が大舞台狙う!


投手編

▲山岡就也(広島新庄)


今年も左右の逸材が見参

 昨夏、広島新庄の田口麗斗(巨人)、瀬戸内の山岡泰輔(東京ガス)という左右の逸材が広島を沸かせた。その2人を継承するかのように今年も新たな左右の逸材が着々と成長を遂げている。センバツで3試合32回を投げ抜いた左の山岡就也(広島新庄)は疲労が蓄積していたこともあって、県大会2回戦で敗退したが、右足を大きく上げるフォームからのキレとコーナーワークは健在だ。連日の走り込みで制球力も増しており、夏に向けての準備は整いつつある。

 右の向井翔也(広島工)は、体を目いっぱい使う独特のフォームからパワーを一気に爆発させるストレートで攻める。シンカー気味のチェンジアップも有効だ。昨秋は公式戦未出場だっただけに、総決算の夏に懸ける思いは強い。

 今春、その向井に投げ負けた岡本竜(尾道)の評価もうなぎ登りだ。力のあるボールでストライクゾーン周囲を支配し、強打の広島工を8回まで被安打2に抑え込んだ。チームには小気味よい2年生左腕・平川太一らも控えており、豊富な投手陣で初の甲子園を狙う。

 春の県大会を制した広陵は、センバツ帰りの広島新庄相手に1失点完投した吉川雄大に続き、勢いのある高木滉二郎、二塁手としても活躍する1年生・福田良太の投げっぷりにも注目が集まる。

 スムーズな投球フォームからピュンピュンと球が伸びる谷浩志(盈進)、独特のフォームから急降下するような球筋を投げる2年生・岡本晃輝(崇徳)といった逸材レフティーも増殖中だ。

 力のある右腕も見逃せない。2年生にして強豪のエースで4番を張る枝廣圭太(如水館)、小柄ながら力感あふれる投球が光る川上貴央(三原)、185センチから圧倒的な球筋を誇る秘密兵器・小山紘人(呉港)らは、はまればとんでもない快投もありえる。

打者編

▲小野翼(近大福山)


豪快な左スラッガー

 豪快な打撃が売りの小野翼(近大福山)の評判がいい。一球一球に対する集中力があり、ツボにはまった時の打球は場外に飛び出すような勢いがある。仕留める精度に課題を残すが、迷わずバットが振れてきただけに、ラストサマーの大暴れに期待が高まる。

 大柄な左スラッガーとしては先輩・丸子達也(早稲田大)を彷彿させる喜多真吾(広陵)が続く。今春、広島新庄の山岡から2本の痛烈な長打を弾き返し、観客の度肝を抜いた。さらに広陵は、センスが光る遊撃手・赤川太一、4番捕手の太田光、ハードパンチャー・佐野悠太ら強力な布陣を誇る。

 大舞台を経験して一皮むけようとしている阪垣和也(広島新庄)、配球を読んだ積極的な振りが光る山口誠矢(広島工)、攻守に力強さが際立つ藤原亮樹(崇徳)、強烈なインパクト力を誇る塩崎陸人(盈進)らは、強力エンジンを搭載する有望な4番打者だ。

 その他、素早い身のこなしを誇り、同地区でしのぎを削る藤村捷人(呉港)と柏尾祐輔(市呉)の呉いぶし銀コンビ。来季も期待の2年生として打の向上が著しい強肩外野手・川本恭輔(尾道)、非凡なセンスが光る櫻井涼(広島商)など、楽しみな逸材からも目が離せない。

大会展望
秋と春の王者2強が軸に展開


センバツで3試合を経験した秋の王者・広島新庄、6試合4完封で春の王者に輝いた広陵、ともに広島大会を制しているこの2校が優勝争いの軸になるだろう。広島新庄はエース・山岡の安定感が増し、守りからリズムを作るゲームメーク能力も健在。ただ、夏の連戦には2番手投手の台頭も必要となってくる。逆に広陵は夏を乗り切るための厚い投手陣を持っているのは強みだ。力強い投打を誇る広島工、春3位の如水館、投打のバランスがいい尾道らが2強を追いかける。


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