■首位:楽天(7勝1敗)
開幕4連勝から、1つ負けを挟んで3連勝と波に乗っている楽天。
FAで加入した岸孝之がインフルエンザで開幕戦を回避し、安樂智大が故障離脱と伝えられたときはどうなることかと思ったが、見事なまでの開幕ダッシュを見せている。
好調の要因を挙げると、まずはパ・リーグのホールドランキングに3人が名を連ねるブルペン陣だ。
福山博之とともに、ハーマン(フィリーズから移籍)、森原康平(5位・新日鐵住金広畑)ら新加入選手が、先発から守護神・松井裕樹への間をつなぎきっちりとリレー。勝利の方程式を確立させた。
プロ初勝利を挙げた高梨雄平(9位・JX-ENEOS)も中継ぎとして登板しており、岸が帰ってきた今の投手陣が大崩れすることは考えにくい。
また、打撃陣も好調。なかでも全試合出場している2番・ペゲーロ(打率.370)、5番・銀次(打率.355)、1番・茂木栄五郎(打率.286)に注目だ。
この3人は打率もさることながら、チーム45打点中26打点を荒稼ぎしていて、まさに打線の核として機能している。3、4番が打率1割台に低迷していても勝てるのは、彼らがいるからこそだ。
心配なのは誰かが欠けたときのことだが、岡島豪郎(打率.375)、今江年晶(打率.571)が規定打席到達未満ながら好調。打率2割台ながら千賀滉大から適時三塁打を放った聖澤諒も控えている。打撃陣の層も厚くなった。
投打のやりくりがハマれば、2013年以来の歓喜も夢物語ではないだろう。
■2位:オリックス(5勝3敗)
オリックスは楽天を相手に開幕3連敗を喫しながら、西武と日本ハムを相手に5連勝。一気に貯金生活へ突入した。
連勝の中身がまた特徴的で、すべて先発に白星がついているのだ。
4月4日の西武戦でディクソンが5回3失点したが(それでも勝ち投手)、それ以外の4試合では先発が6回以上を投げて失ったのは1点だけ。
4月9日の日本ハム戦に至っては、西勇輝が完封勝利。ノッているオリックス先発陣を象徴する勝ち方を見せた。
また、新4番のロメロ(マリナーズから移籍)が4試合連続本塁打を放つなど、投手陣への援護も期待できる。「我慢していれば点を取ってくれる」という期待感や安心感も、先発の好投を呼び込む流れを生んでいるのだろう。
昨季の上位チームは、両チームを侮ると返り討ちに合いそうだ。
ほかには昨季の4位・西武も、日本ハムとソフトバンクの3連戦をそれぞれ2勝1敗で勝ち越すなど、昨季とは一味違う雰囲気を醸している。
それだけに、貯金があるソフトバンクは別にしても、大谷翔平と中田翔が離脱した日本ハム、長打力不足のなか主砲・デスパイネが去り、チーム打率が2割を切っているロッテは、今後も苦しい戦いを強いられそうだ。
ペナントレースのゴールはまだまだ先だが、もたもたしていると楽天とオリックスにスイスイといかれてしまうかもしれない。
(※成績は4月10現在)
文=森田真悟(もりた・しんご)