今年だと中日のドラフト3位の木下拓哉の(いつかは乗りたい憧れの車)レクサスのパンフレット、DeNA7位の野川拓斗の初音ミクのぬいぐるみなどは、狙ってる感じがプンプンする。
だが、もっとも僕の目を引いたグッズ(というか記事)は、阪神のドラフト1位の高山俊が、東京駅で新幹線に乗り込む直前に購入した出身地の千葉県船橋市の非公認キャラクターであるふなっしーだ。
ぬいぐるみ自体は珍しくない。むしろ紹介される頻度としては最上位クラスだ。ざっと手持ちの切り抜きをチェックしただけでも、くまもん(DeNA育成1位・網谷圭将)、カンガルー(西武3位・野田昇吾)、ペンギン(DeNA5位・綾部翔)の人形などが紙面を飾っている。
衝撃を与えたのは「僕のキャラっぽくないと思います…(1月7日・スポニチ)」と、悩んだ末のネタ仕込みであることを正直に告白したことにある。
別に言わなくてもいいのに……多分、マジメな人なんでしょう。
そしてそのマジメさが、これまで選手も記者も石川ひとみの「まちぶせ」のように、あくまで偶然をよそおうのがお約束だった入寮グッズシーンに、仕込みをオープンにしてもOKという新たな前例を誕生させた。
来年以降、入寮シーズンの紙面が「グッズ−グランプリ」化した場合は、それは高山の功績である。
とりあえず今後も高山の発言に注目していきたい。
文=御手洗あつひこ
幸楽(@渡る世間は鬼ばかり)のような中華料理屋でスポーツ新聞を読むことをこよなく愛するダメライター。その経験を生かして野球太郎で年に一度だけ『ドラフト当日の新聞報道徹底検証』の記事を担当する。好きな紙面レイアウトはスポニチ。