辻発彦監督の下、パ・リーグ連覇を達成しながらCSでソフトバンクに煮え湯を飲まされ続けている西武。
日本一はおろか日本シリーズに出場すること自体が悲願になっているが、あらためてどうしたら西武がソフトバンクをCSで下せるのか、西武ファンの筆者が考えてみたい。
まずは兎にも角にも投手陣の強化だろう。2018年と2019年にかけてのCS9試合の失点を順に並べてみると、10、5、15、8、6、8、8、7、9。強打の山賊打線が売りの西武でも、さすがにソフトバンクの投手陣から毎試合10点を取るのは無理がある。
西武は中継ぎ、抑えのブルペン陣が弱いと言われるが、CSの8つの負け試合のうち、実に7試合も先発に黒星がついている。ソフトバンク以外の球団とも戦うシーズンではごまかしが効いても、本当の強者と戦うと先発も含めてアラが出てしまう。
本当の意味での投手力をつけること。幸い先発には高橋光成、今井達也と若手有望株がいるので、覚醒した姿に期待したい。
打線に関しては、「山賊」と呼ばれるようになってから以前ほどの「ソフトバンクアレルギー」を感じなくなった。なかでもこの2年のCSで山川穂高が3本、外崎修汰が2本の本塁打を打っているので、いかに2人の前にランナーを溜められるかがカギになる。
2019年のソフトバンク戦における打撃成績を見ると、2番・源田壮亮が打率.312、3番・森友哉が打率.286としっかり結果を残しているので、あとは1番候補の金子侑司が.205からどれだけ上積みできるかというところだ。
振り返ると両球団の差は2014年から開いてきたように思う。2014年から3年に渡ってCSに縁がなかった西武。反対にソフトバンクは2014年から毎年CSに出場し続け、4度のリーグ優勝と4度の日本一に輝いている。
CSは短期決戦であるため、シーズンとは異なる戦い方を求められる場面も多い。現状は経験の豊富なソフトバンクに分があるのは致し方ない部分もあるだろう。
とはいえ、このまま負け続けていいわけではない。どこかでやり返さないと、またソフトバンクに負けグセを植えつけられてしまうからだ。
今季は新型コロナウイルスによる開幕の延期で3地区制でのペナントレースが囁かれているなど、どんなポストシーズンになるかはまだわからない。しかし、どのような状況でソフトバンクと対戦してもいいように、選手は強い気持ちを持ち続けていてほしい。
文=森田真悟(もりた・しんご)