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大松尚逸(ヤクルト)、田中浩康(DeNA)ら「戦力外通告→他球団テスト→移籍」組はどうなった?

大松尚逸(ヤクルト)、田中浩康(DeNA)ら「戦力外通告→他球団テスト→移籍」組はどうなった?

 ドラフト入団や来日する助っ人選手など、オフには毎年100名前後が新戦力として加わる日本プロ野球界。それと同時に、枠からはじき出される選手も新戦力に近い数だけ存在する。

 そのなかには、いったんは「戦力外」を通告されながら、トライアウトやキャンプへのテスト参加を経て、新たなチームへ移籍する選手が決して多くないが存在する。昨オフにそういった軌跡をたどった数少ない選手たちが今季、どんな結果を残したかを見てみよう。

投手編


久保裕也(楽天、DeNAから移籍)
27試合:3勝1敗/0セーブ/防御率3.60

柳瀬明宏(阪神、ソフトバンクから移籍)
2試合:0勝0敗/0セーブ 防御率43.20

 巨人時代は中継ぎとして実績を残した久保裕也(楽天)。2011年は67試合に登板し防御率1.17の好成績も残しているが、年齢的な衰えを隠せず、2015年秋にはDeNAに移籍。しかし、2016年オフに今度はDeNAを戦力外となり楽天へ。

 今季は、6月に1軍に昇格すると、9月上旬までで27試合に登板し3勝1敗、防御率3.60と奮闘。ところが、9月7日の登板後に、血行障害を発症し登録抹消となってしまった。今後が案じられる。

 柳瀬明宏(阪神)は、ソフトバンク時代の11年間で216試合に投げたセットアッパー。新天地の阪神では、6月23日の広島戦で今季2試合目の登板を果たすも、2番手でマウンドに上がり1イニング8失点と大炎上。その後は2軍暮らしが続いている。

捕手・内野手編


田中浩康(DeNA、ヤクルトから移籍)
58試合:打率.208/1本塁打/20打点

大松尚逸(ヤクルト、ロッテから移籍)
83試合:打率.162/3本塁打/13打点

細川亨(楽天、ソフトバンクから移籍)
18試合:打率.111/1本塁打/1打点

猪本健太郎(ロッテ、ソフトバンクから移籍)
8試合:打率.143/0本塁打/2打点

岩崎達郎(中日、楽天から移籍)
1試合:打率.000/0本塁打/0打点

 今回取り上げる選手のなかで、もっともチームに貢献しているのは田中浩康(DeNA)だろう。打率は2割そこそこながら、得点圏打率は.310で20打点。小技もできて、守備固めとしても使える融通性がある。

 DeNAのラミレス監督とは、ヤクルト時代のチームメイト。気心が知れている面もプラスに作用したのだろう。古巣・ヤクルトでのコーチ要請を断って現役を続行した甲斐があった。

 サヨナラ本塁打を2本放っている大松尚逸(ヤクルト)も、左の代打として貴重な働きを見せている。ただ、8月以降は24打数1安打と不振。残り試合も少ないので、なんとかもう一度、調子を上向きにしたいところだ。

 経験豊富なベテラン捕手の細川亨(楽天)は、新天地では18試合出場と、活躍度はいまひとつ。猪本健太郎(ロッテ)は8月29日のオリックス戦でプロ入り初打点を記録。もうひと花咲かせられるか。岩崎達郎(中日)は、育成契約から7月10日に支配下選手となったが、1軍での出場は8月22日の巨人戦1試合のみとなっている。


外野手編


柴田講平(ロッテ、阪神から移籍)
17試合:打率.121/1本塁打/2打点

榎本葵(ヤクルト、楽天から移籍)
9試合:打率.143/0本塁打/0打点

 柴田講平(ロッテ)は7月12日の西武戦での守備固め、榎本葵(ヤクルト)は5月14日の中日戦での代打三塁ゴロを最後に1軍での出場はない。このままシーズンを終えるようだと、来季の現役続行が微妙になってきそうだが……。

(※記録は9月10日終了時点)


文=藤山剣(ふじやま・けん)

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