9月に入りペナントレースは終盤戦に突入した。両リーグとも順位争いが加熱しているが、今回は日本シリーズ終了後に行われるプレミア12に向けた侍ジャパンのメンバーを筆者の独断と偏見で予想してみた。と、いっても好みの選手だけを並べているわけではない。
2020年の東京五輪を見据え、1988年生まれ世代(1988年4月2日〜1989年4月1日生)を最年長とし、メジャーリーガーからの選出はなし。ただし、今オフにメジャー移籍する可能性のある選手は含めている。
ちなみに予備登録選手(60人)に各選手が入っているのかは不明。前述したとおり独断と偏見による予想である。
プレミア12のベンチ入り人数は28人。投手陣はおよそ半分に当たる13人を選んだ。
■先発候補
菅野智之(巨人)
千賀滉大(ソフトバンク)
有原航平(日本ハム)
今永昇太(DeNA)
■第2先発候補
高橋礼(ソフトバンク)
種市篤暉(ロッテ)
山本由伸(オリックス)
石田健大(DeNA)
■中継ぎ・抑え候補
高梨雄平(楽天)
岩崎優(阪神)
秋吉亮(日本ハム)
松井裕樹(楽天)
山崎康晃(DeNA)
これまでの侍ジャパンにおける投手を見ると、所属チームでは先発として起用されている投手が代表では中継ぎで登板をするケースも多かった。もちろん、球数制限がある国際大会では致し方ない部分もある。
しかし今回は極力、所属球団と同じような起用法となるように心がけた。必要になるであろう第2先発候補は近年、先発そして中継ぎ両方の経験がある投手から選出している。
先発、第2先発は試合展開や各組の状況に応じて起用法は変わってくるだろう。この8人で6回、7回までを投げ切るイメージだ。山本由伸(オリックス)は離脱中だが、すでに2軍で実戦復帰を果たしていることからメンバーに選出した。
ワンポイントや火消し含め中継ぎとしての役割は5人。高梨雄平(楽天)、岩崎優(阪神)、松井裕樹(楽天)と3人の左腕を選んだ。また、所属球団で守護神を経験している山崎康晃(DeNA)、秋吉亮(日本ハム)、松井裕樹(楽天)で、連投を避けながら9回を締めたい。
野手は全28人から投手13人を引いた15人。振り分けは捕手3人、内野手8人、外野手4人とした。
■捕手
會澤翼(広島)
森友哉(西武)
甲斐拓也(ソフトバンク)
■内野手
山川穂高(西武)
山田哲人(ヤクルト)
坂本勇人(巨人)
筒香嘉智(DeNA)
外崎修汰(西武)
源田壮亮(西武)
高橋周平(中日)
菊池涼介(広島)
■外野手
秋山翔吾(西武)
鈴木誠也(広島)
吉田正尚(オリックス)
西川遥輝(日本ハム)
野手陣は人数だけを見ると、外野手が少なく有事の際に慌てる場面が出てきそうだ。しかし、そのような事態に対応できるよう内・外野を守れる外崎修汰(西武)を選出している。
今回のポイントはDeNAで三塁を守っている筒香嘉智(DeNA)だ。チームでは宮崎敏郎の故障により急遽の配置転換となったが、無難にこなしている。もちろん本職の三塁手に比べるとお世辞にも守備範囲が広いとはいえず、バント処理などシフトプレーに不安はある。しかし、それを打撃面でカバーすることに期待をかけた。
2017年のWBC以降、日本代表の三塁はネックとなりつつあった。その穴を埋めることができそうだ。もちろん左翼や指名打者としての起用も可能なことがオプションのひとつとなる。
本職の三塁手としては高橋周平(中日)を選んだ。昨シーズン初めて規定打席に到達し、今シーズンは故障離脱があったものの打率3割をキープしている。故障の回復具合にもよるが、侍ジャパンで見たい選手の一人だ。
村上宗隆(ヤクルト)も大砲候補として呼びたい選手ではあるが、守備面での不安が大きく今回は見送った。
韓国で行われたWBSC U-18ベースボールワールドカップでは本職の外野手を2名しか選出しておらず、内野手は遊撃手が多かった。もちろん、高校生とトップチームは違う。しかし、守備の綻びから失点するケースもあり、本職であることの大事さをあらためて気づかされた。
そのため、各ポジションで急遽の故障離脱があっても、所属球団で守っている選手で埋められるメンバー構成にしたつもりだ。
侍ジャパンのメンバーの最終登録は10月3日。はたしてこのメンバーから何名が代表入りするだろうか。
文=勝田聡(かつた・さとし)