夏の高校野球も目前。春季大会も各地でフィナーレを迎えつつある。前回に引き続き、春季大会で驚くべき躍進を見せた新興校、中堅校を紹介しよう。
春季北海道大会は全道大会。参加校数という点では夏よりも熾烈な戦いが強いられる。そんななかで快進撃を見せ、ベスト4に進出したのは札幌国際情報。1995年開校の公立校で甲子園出場はなし。今春は2年生エース・原田航介の快投が光った。
準決勝でも苫小牧工を相手に2対4の接戦を繰り広げ、札幌支部のダークホースに浮上している。2005年から指揮を執る有倉雅史監督(元日本ハムほか)の育成手腕が結果として現れはじめている。
決勝に駒を進めた苫小牧工も1989年春以来の甲子園を目指す。右サイドの松本凜大、左の村上大成と2枚のクセ者投手を擁し、打線にも勢いがある。
東北大会は開催が遅いため、次回以降にあらためて甲子園未出場校を紹介したい。甲子園未出場ではないが、東北各県大会を見渡した中で、面白い存在なのが岩手・盛岡四だ。1994年夏に1度甲子園に出場し、1勝を挙げた同校だが、今春は準決勝で強豪・盛岡大付を3対2で破り、見事決勝に進出した。
1995年以降、岩手では私学勢が夏の甲子園切符を独占しており、盛岡四は公立・最後の砦。全国的には無名に分類されるが、盛岡大付、花巻東とも善戦する力がある。
北信越大会は手堅い顔ぶれとなったが、唯一の甲子園未出場校でコマを進めたのは新潟2位の三条。38年ぶりに北信越大会に駒を進め、新潟県大会決勝のスタンドには大応援団が集った。
決勝では日本文理に3対11、北信越大会1回戦では富山第一に1対5で敗れたものの、町を盛り上げる快挙であったことに間違いはない。公立進学校としても人気が高く、今後の活躍に期待がかかる。
新潟大会決勝の敗戦は2年生エース・丸山尊仁を温存した結果。夏にハマれば、春とは違う展開になりそうだ。
東海大会はなかなか面白い組み合わせが見られた。特に静岡は混戦模様。東海大会決勝まで勝ち上がり、準優勝を果たしたのは、2000年夏以来の甲子園出場を狙う古豪・浜松商だった。
西部地区予選では4位スタートだったが、静岡県大会に入ると本格化。打ち合いを立て続けに制し、県大会優勝をもぎ取ると東海大会でも愛知黎明、菰野を撃破。決勝でも津田学園と9回表まで4対4の接戦を演じ、最速148キロでプロ注目の津田学園のエース・前佑囲斗を引きずり出した。
静岡2位の加藤学園は初の甲子園出場を狙う。常葉大橘や浜松工も打力が高く、静岡県は乱打混戦になりそうだ。
愛知では中部大第一が県大会初戦でセンバツ優勝の東邦を破り、その勢いで愛知制覇。流れに乗って夏に挑みたい。
文=落合初春(おちあい・もとはる)