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2015年野球界よもやまアンケート〜久保弘毅・本木昭宏の場合〜

久保弘毅
1971年生まれ、奈良県出身。元アナウンサーという異色の経歴を持つスポーツライター。得意技は実況風ライティング。ハンドボールタイターの第一人者でもある。ブログ「手の球日記(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/handjpn/)」

1・セパそれぞれの順位予想
【パ・リーグ】
1位・オリックス
2位・ソフトバンク
3位・西武
4位・日本ハム
5位・ロッテ
6位・楽天

【セ・リーグ】
1位・広島
2位・巨人
3位・DeNA
4位・阪神
5位・ヤクルト
6位・中日

2・順位予想の理由

【パ・リーグ】
 ソフトバンクの戦力が圧倒的なのは承知のうえで、オリックスを1位に推したい。中島裕之、小谷野栄一に全盛期の働きは求められないまでも、右の内野手を2枚補強できたのはタイムリー。西武は全員がケガなく、額面通りの働きをすれば、超重量打線が完成する。打線のバランスを考えても、左の森友哉は年間通してDHで使う価値がある。日本ハムは魅力的な布陣ではあるが、ベテラン不在が不安材料。ロッテと楽天は打線の弱さに泣かされそう。

【セ・リーグ】
 巨人のキャッチャー・阿部慎之助、阪神のショート・鳥谷敬、両チームの大きなアドバンテージがなくなることで、順位低下はまぬかれない。消去法で広島が首位に躍り出るか。DeNAは投手陣の頭数が揃った。リリーフ陣次第では久々のAクラスもありうる。ヤクルトは効果的な補強をしているが、貯金を作れそうな先発が小川泰弘1人なのが苦しい。老朽化が進む中日はいよいよチーム解体の1年に。高橋周平への先行投資に楽しみを見出すしかない。
(※このアンケートは黒田広島移籍、鳥谷阪神残留が決定する前に書いています)

3・今年注目のプロ野球選手
☆安達了一(オリックス)
☆加藤正志(楽天)
☆友永翔太(中日)


 オリックスは中島を獲ったが、ショートは安達に託してほしい。なによりも守りの安定感が違うし、攻撃面でもまだまだ伸びしろを残している。打率.270、15本塁打、30盗塁をクリアして、パ・リーグNo.1ショートに成長すれば、オリックス優勝の可能性が高まる。中島は「高級なベタンコート」くらいに思っておいた方が、当たった時の喜びも大きいだろう。


▲安達了一(オリックス)

 楽天の加藤は、ごく標準的な能力の投手がプロに潜り込んだ稀有な例。アンダースローという一芸だけでどこまで通用するのか、純粋に興味がある。彼の活躍次第で、アンダースローに取り組む投手が増えるのではなかろうか。

▲社会人・JR東日本東北時代の加藤正志

 大島洋平(中日)の契約更改で引き合いに出されてしまった友永が、1軍で活躍できるかどうかも注目したい。背番号も1番になり、否が応でも注目される存在になってしまった。もし、友永が活躍して、落合博満GMの見る眼が正しかったことを証明できれば、右投左打の外野手(特に社会人)への評価が変わるかもしれない。


本木昭宏
1975年生まれ、東京都出身。国士館大野球部でプレーしており、日本一野球のうまいスポーツライターとも言われている。昨年8月に国士舘大野球部時代に同期だった古城茂幸(現ジャイアンツアカデミーコーチ)と共著『プロ野球生活16年間で一度もレギュラーになれなかった男がジャイアンツで胴上げしてもらえた話』(東邦出版)を刊行した。

1・セパそれぞれの順位予想
【パ・リーグ】
1位・オリックス
2位・日本ハム
3位・ソフトバンク
4位・西武
5位・ロッテ
6位・楽天

【セ・リーグ】
1位・巨人
2位・広島
3位・ヤクルト
4位・阪神
5位・DeNA
6位・中日

2・順位予想の理由

【パ・リーグ】
 金子千尋の残留が決定し、平野佳寿、佐藤達也が中心の救援陣も強烈。比嘉幹貴、馬原孝浩も他球団にいけば8回を任せられる実力を持っている。投手陣は、伸び盛りの西勇輝と松葉貴大、ベテランの岸田護がカギを握る。攻撃陣もペーニャは放出したが、中島裕之を獲得。糸井嘉男、中島、T-岡田の中軸は他球団の脅威で糸井、安達了一、ヘルマンと足が使える選手が多いことも強み。選手層は別にして、レギュラーだけ見たらソフトバンクより強力かもしれない。

 反対に優勝したのに監督が代わったソフトバンクは、選手が起用法、戦術に混乱しそうで心配。日本ハムは大谷翔平が通年でローテーションを守って、中田翔が三冠王級の働きをすればAクラスは堅い。

【セ・リーグ】
 リーグ三連覇は果たしたが、2012年をピークにチーム力の下降は否定できない巨人。阿部慎之助の一塁手コンバート、ヤクルトからベテラン捕手の相川亮二を獲得し、さらに新キャプテンが坂本勇人になった。チームの現状をしっかりと把握して大刷新した原辰徳監督(&編成)の手腕が光るので十分期待できる。阿部が3割30本を打って、内海哲也が復活して15勝を挙げればV字回復するはず。


▲原辰徳監督

 大型補強したヤクルトが躍進して、広島と三つ巴になったら面白いので、期待も込めてこの順位。中日は高橋周平、福田永将、堂上直倫といった若手が台頭すれば期待大も、顔ぶれが昨季と変わらないなら暗黒時代突入の予感。

3・今年注目のプロ野球選手
☆菊池涼介(広島)
☆佐藤達也(オリックス)
☆菊池雄星(西武)


 菊池涼介(広島)の守備。2013年に記録した二塁手捕殺記録(528)を翌年に自ら更新(535)。みんながヒットだと思った瞬間に菊池が軽やかに打球をさばいて、涼しい顔してベンチに帰る――。前田健太や大瀬良大地がグラブを叩いて賞賛している姿を何度も見た。……というか、見慣れた。侍ジャパンで見せたグラブトスこそ彼の真骨頂。あれが「野性児」と言われる理由だし、練習でできる選手は何人もいると思うけど、あのプレーを大舞台で決める(試みる)のは現在のNPBでは菊池くらい。

 佐藤達也(オリックス)の貫禄。冷静な顔して150キロをバンバン放り、打者のバットの上を通過するストレートはもちろん見ものだが、スライダーを投げた時に打者が腰を引いて、佐藤の“スライダーですけど、何か?”的なドヤ顔が痛快。クローザーの平野佳寿とセットで見られる日は楽しい。


 雄星(西武)の復調。実は田中将大(現ヤンキース)が24連勝した2013年は、シーズン中盤まで張り合っていた。ケガなく通年で活躍したときの成績が楽しみ。花巻東高の後輩、大谷翔平(日本ハム)とタイトル争いしてほしい。

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