試合開始は日本時間の4月6日早朝2時(現地時間は5日13時)。晴れてはいたが、気温は2度と極寒。風も強く、スタンドでは、コートやニット帽でしっかりと防寒対策を行った観客が多く見られた。
そんな状況で、田中は2回に味方に2点の援護をもらい、3回まではパーフェクトピッチング。しかし、4回はレフトのアーロン・ヒックスがフライの目測を誤って二塁打としてしまい、そこから1点を失う。
その後、5回はプレストン・タッカーに二塁打を浴びるも、後続を断って持ち直したに見えたが、6回二死走者なしから、カルロス・コレアに甘く入ったスプリットをライトスタンドに運ばれ同点とされてしまう。
さらに、続く打者に四球を与えたところで、ベンチからジョー・ジラルディ監督が出てきて交代が告げられた。
結局、5回2/3で投球数は87球、4安打2失点4奪三振という今季初登板だった。その後、リリーフ陣が打ち込まれ、3対5で敗戦。ヤンキースは、昨年に続いての開幕黒星発進となってしまった。
試合後の会見で田中は「オープニングデーの緊張感もありましたが、自分の思うとおりにコントロールがつかなった。」と開幕戦を振り返った。
なお、登場曲は、このために制作された「ももいろクローバーZ」の「GET Z, GO!!!!!」。田中の公式サイトによると、田中とももクロのメンバーが「それぞれのステージに立つまでの気持ちや心構えをお互いが文章にしてつなぎ合わせ、歌詞を作成」したとのこと。よりお互いの想いの詰まった楽曲になっているだろう。
楽天時代から、ももクロの楽曲を登場曲にしていた田中だったが、日本ではいずれもすでに発売されていたナンバーだった。しかし、渡米後は2013年が「My Dear Fellow」、2014年が「勝手に君に」と、田中のために制作されたオリジナル曲をバックにマウンドに向かっている。
この春は、5大ドームツアーで25万人以上を動員し大成功を収め、さらにはニューヨーク、ロサンゼルス、ハワイでのアメリカツアーも発表(日程は未定)しているももいろクローバーZ。
このアメリカツアーのどこかで、共闘が見られるかもしれない。そこに胸を張って参戦するためにも、2戦目以降、エンジン全開のピッチングができるどうか、注目だ。
文=藤山剣(ふじやま・けん)