プロ野球の世界は現在、オフシーズンの真っ只中。各球団とも、ドラフト交渉権を獲得した新人選手との入団交渉を進めながら、所属選手の契約更改、FA補強やトレードなどで、来季の戦力補強を着々と整えている。
世間一般では、この時期のことを「ストーブリーグ」と呼んでいるのは周知の通り。また、トレードやドラフトなど、この時期にスポーツ新聞紙上を賑わす野球用語は、いったい、どんな由来でできた言葉なのだろうか。
まずは「ストーブリーグ」の語源から。諸説あるものの、野球のシーズンが終了した冬に、ファン同士がストーブの前で暖をとりながら選手の移籍・契約更改・引退などの話をする様子から、ストーブリーグという名前が付いたといわれている説が有力だ。
また試合のないこの時期になると、記事になるようなネタがないので、新聞記者たちもストーブを囲んで来季への噂話をするシーンが増えることから、それを差した言葉だという説もある。もしくは、監督たちがストーブを囲みながら、自軍の選手のトレード交渉をしていたことが由来となっている説もある。
その「トレード」を日本語に訳すと「貿易」「交換」といった意味。まさにこれが語源となって、自チームの選手と他チームの選手を交換したり(交換トレード)、他チームの選手を買い入れたり(金銭トレード)することを指すようになった。
ちなみに、メジャーリーグでは「交換選手は後で指名する(後日指名選手)」トレードもあるという。その昔、ハリー・チーティという選手は後日指名選手との交換でメッツからインディアンスへ移籍。しかし、その数カ月後、またしても後日指名選手としてインディアンスからメッツへ戻り、トレードの交換相手が自分自身という史上初の選手となった。