巨人:二岡智宏(内野手)、林昌範(投手)
日本ハム:マイケル中村(MICHEAL・投手)、工藤隆人(外野手)
「衝撃第1弾」ともいえるトレード。巨人が実績抜群だがいろいろあった二岡智宏と林昌範を出し、日本ハムはマイケル中村と工藤隆人を放出した。
マイケルは2008年も28セーブを挙げており、堂々の守護神。対する二岡、林は、この年はケガで結果を残しておらず、当初は巨人有利のトレードとみられていた。しかし翌年、マイケルは調子が上がらず防御率6.18。2010年は復調の気配もあったが、わずか3年で巨人を去った。
工藤も1軍で活躍できないまま、2010年にサブローとのトレードでロッテに放出された。
一方、二岡は代打を中心に2013年まで活躍。林も3年で放出されたが、1、2年目は左のワンポイントとして存在感を示した。
巨人:岩舘学(内野手)
日本ハム:金銭
岩舘学内外野守れるユーティリティーだったが、移籍4年で引退。芽が出なかった。
巨人:オビスポ(投手)
日本ハム:須永英輝(投手)、紺田敏正(外野手)
2009年の日本シリーズで日本ハムから勝利を挙げたオビスポが主役。育成から這い上がった助っ人として期待は大きかったが、外国人枠の関係もあり、活躍の場を求めて日本ハムへ。
開幕から1軍入りするなど、大いに期待されたが、移籍後初登板で1回5失点の大炎上を喫すると、わずか2登板のみ、1年でクビになった。
巨人に移籍した須永英輝は4シーズン在籍したが、トミー・ジョン手術を受け、1軍登板は1試合に終わった。紺田敏正は移籍1年目に21試合に出場。40打席で打率.289を記録したが、右肩を痛めて1年限りで戦力外に。どちらもお得だったとはいえない。
巨人:金銭
日本ハム:高橋信二(捕手)
非凡な打撃に注目した巨人が、高橋信二を「右の代打」として獲得。しかし、打率.182と活躍できず、わずか27試合の出場に終わった。高橋は出場機会を求めて自由契約を直訴。同年12月にオリックスに移籍した。
巨人:市川友也(捕手)
日本ハム:金銭
意外な掘り出し物。市川友也は巨人在籍4年間で1軍出場は9試合だったが、日本ハムでは2番手捕手の座を確保。戦力となった。
巨人:須永英輝(投手)、矢野謙次(外野手)
日本ハム:矢貫俊之(投手)、北篤(外野手)
須永英輝は日本ハムと巨人の間を「行って来い」で2度目のトレード。
須永、矢貫俊之の両投手はともに1軍で数試合に登板したが、結果を残せず今オフ戦力外に。矢野謙次も右ヒザの古傷で思うような稼動ができず。北篤も今季は期待された時期もあったが、3試合の出場に終わった。
矢野と北の両外野手の今後の活躍で、結果論の天秤がどう動くか。
巨人:大累進(内野手)
日本ハム:乾真大(投手)
トレード時、25歳の大累進と27歳の乾真大。中堅に差し掛かる2人の飛躍を狙ったトレードとなった。北海道出身、実家が札幌ドームから車で10分という大累にとっては里帰りトレードでもある。
今季、大累は14試合の1軍出場。乾は2登板。それぞれ先日トレードされた大田、吉川とポジションが重なっており、来季は「玉突き注意」だ。両球団ともにトレード戦士を「戦力」と考えているからこそ、一刻も早い覚醒が求められている。
文=落合初春(おちあい・もとはる)