高校野球で勝利のカギを握るのは選手のスカウティングだ。学校ごとにその方針はダイナミックに分かれる。全国をスカウティングに飛び回る強豪校もあれば、OBに中学野球指導者が多く地元ルートを持つ学校、宗教系で全国の情報網を生かす学校など特色はさまざま。
また、隣県からのアクセスや寮の有無がスカウティングに影響をもたらすことも。「○○高校は△△から電車で40分だから選手も集まりやすいよね」などと語り出すようになれば、高校野球マニア界では一目置かれるはずだ!
地方の高校野球を見る上で指導者の存在は外せない。全国的には強豪校の「名監督」が注目を集めるが、地方に目を移すと地域を引っ張る公立の名将も存在する。しかし、公立校には異動も多く、高校野球シーンを一変させることも。「あの高校は○○監督が基盤を築いた」など、指導者事情を語れるようになれば、マニアランクは格段にアップする。
『全国高校野球大図鑑2018』では49地区別に有力校を紹介している。もちろん指導者の紹介も盛りだくさんだ。指導者を知ればチームカラーも見えてくる。
スカウティングにも通じるところだが、高校野球を終えた選手たちのその後も注目したい。プロだけではなく大学、社会人での活躍も高校野球マニアの楽しみのひとつだ。今回、本誌では有力校紹介とともに「主な進路」を併記している。これから高校野球生活を迎える中学生や保護者にとっても知りたい要だろう。
「あそこは○○大に行く選手が多いから」と、「高校→大学」、「高校→社会人」のルートを語るようになれば、マニア度は限界突破だ。
この3つの事情がわかれば、高校野球の楽しみはさらに深くなる!
文=落合初春(おちあい・もとはる)