【広島・投手編】ドラフト関連度 B
全国屈指の左右両輪
全国屈指といえる左右両輪が広島を沸かせている。ともにドラフト候補としては小柄な方だが、常時140キロ台という球速だけでは語れない凄みがある。全身のバネを生かしてマウンドから飛び跳ねるような躍動感がある山岡泰輔(瀬戸内)は、広島商戦で9回2死までノーヒットの快投を見せると、準々決勝から3試合連続2ケタ奪三振をマーク。なかでもセンバツ帰りの広陵を15奪三振ときりきり舞いさせたタテのスライダーは強豪でも攻略困難だろう。
右の横綱が躍動感なら、左の横綱は威風堂々の投球で攻めまくる。今春の広島大会で30回連続無失点という快投を見せた田口麗斗(広島新庄)は、左腕特有のクロスファイアーでねじ伏せ、一度戦闘モードに入ると止められない。それでいて本人は「制球力重視」というだけに独特な感性と集中力を併せ持つ。
今春、センバツ準優勝の済美を苦しめた広陵は、下石涼太に続く投手の台頭があった。安定感のある太田創に加え、センバツではマスクをかぶった柳澤一輝が最速148キロをマークするなど、圧倒的な投球は見応え十分だ。
変幻自在のピッチングで35年ぶり秋の王者へと導いた近森雄太(崇徳)、独特のフォームから急降下するような球筋を投げ込む山口直輝(尾道)の両左腕はハマれば爆発的な快投もありえる。
無名だった右腕の台頭も目を引く。実戦を積み重ねるごとに急成長を遂げた2年生右腕・向井翔也(広島工)は、少し体をひねって勢いあるボールを投げ込み、周囲の評価もうなぎ登りだ。
その他、迫力満点の近藤弘樹(安佐北)、189センチの秘密兵器・重吉宏哉(西条農)といった全国的に知られていない大型右腕も見逃せない。
【注目選手】山岡泰輔(瀬戸内)