1位 二木康太(ロ) 771,429円 7勝 推定年俸540万円
2位 高梨裕稔(日) 1,037,500円 8勝 推定年俸830万円
3位 青柳晃洋(神) 1,800,000円 4勝 推定年俸720万円
4位 田口麗斗(巨) 2,000,000円 9勝 推定年俸1,800万円
5位 釜田佳直(楽) 2,133,333円 6勝 推定年俸1,280万円
6位 千賀滉大(ソ) 2,272,727円 11勝 推定年俸2,500万円
7位 加藤貴之(日) 2,400,000円 5勝 推定年俸1,200万円
8位 今永昇太(デ) 2,500,000円 6勝 推定年俸1,500万円
9位 石田健大(デ) 2,571,429円 7勝 推定年俸1,800万円
9位 東浜巨(ソ) 2,571,429円 7勝 推定年俸1,800万円
(成績は8月28日現在、1勝の値段は小数点以下四捨五入、ロ=ロッテ、日=日本ハム、阪=阪神、巨=巨人、楽=楽天、ソ=ソフトバンク、デ=DeNA、)
ここでは、1勝あたりの値段が安い投手(=コスパが優れている)のランキングを見ていこう。
純粋なルーキーは3位の青柳晃洋、7位の加藤貴之、8位の今永昇太3人だが、1位の二木康太、2位の高梨裕稔もまだ新人王資格がある。この先の球界を背負っていくであろうイキのいい若手がずらりと並ぶランキングとなった。
1位の二木は鹿児島情報高出身の3年目。樟南高、鹿児島実業高、神村学園高など、強豪ひしめく鹿児島県において、全国的には無名の高校から2013年のドラフト6位で入団。1年目は1軍登録なし、2年目は1試合のみの登板にとどまった。
しかし、今季は開幕からほぼ先発ローテーションを守り、防御率こそ5点前後といまひとつだが、8月28日までで石川歩、涌井秀章に次ぐ7勝を挙げている。
年俸2000万円を超える投手の中では、唯一ランクインしたのが6位の千賀滉大だ。育成出身の千賀は、2013年にリリーフとして51試合に登板し一躍名を挙げたが、脇腹痛、右肩痛などもあって昨季終盤から先発へ再転向している。
今季は開幕から好調で、9月3日の楽天戦では、完投で12勝目。この勝利により、育成出身者として2008年に山口鉄也(巨人)がマークした11勝を抜いてシーズン最多勝記録達成となった。
しかも、この時点で12勝1敗と、ひとりで貯金11を稼ぎ、勝率.923はパ・リーグトップ。V3を目指すチームへの貢献度は非常に高い。
上位を争うチームの中では、ランキング2位の高梨裕稔、4位の田口麗斗も屋台骨を支えている。
日本ハムの高梨は、開幕当初はリリーフとして起用されていたが、6月途中から先発に配置転換。それが見事にははまって、そこから9月3日まで、先発で負けなしの7連勝。チームは6月後半からの快進撃で首位に追いついたが、高梨は間違いなくその原動力のひとりだ。
巨人の田口は高卒3年目の今季、8月末までで菅野智之の8勝を上回るチームトップの9勝を挙げる大活躍。7月は4試合に登板し、3勝&防御率1.14と抜群の安定感で、初の月間MVPにも選出された。貴重な先発サウスポーとして不可欠の戦力となっている。
文=藤山剣(ふじやま・けん)