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《WBC出場選手状態チェック》バレンティン(ヤクルト)の60発は夢か? NPB外国人選手の好不調

シーズン開始直後はやはり不調に陥るも徐々に調子を取り戻しつつあるバレンティン(ヤクルト)

 週刊野球太郎では連載『WBC燃え尽き症候群!? WBC出場選手の状態チェック!』で、WBCに出場したNPB選手とメジャーリーガーのペナントレースでの状態を検証。

 ここまでは侍ジャパンの選手の好不調をみてきたが、第3回となる今回は、NPBでプレーするWBC出場外国人選手をチェックしたい。

 WBC仕様の早仕上げの調整や、疲労で調子を崩した日本人選手が多かったが、そういった選手もここにきて、おおむね調子を上げてきた。NPB外国人選手はどうだろうか。


オランダの4番・バレンティン、エース・バンデンハークは?


 日本で活躍するバレンティン(ヤクルト)が4番、バンデンハーク(ソフトバンク)がエースとして参加したオランダ。大会のダークホースと目されたチームは、バレンティンの大爆発もあり、2大会連続のベスト4。実力をあらためて知らしめた。

 WBCではベストナインに輝いたバレンティンだったが、シーズンに入ると調子が上がらない。開幕戦で2安打を放ったものの、期待されている本塁打は5月10日にようやく4本目。3本目を打った4月16日から1カ月弱、一発が出なかった。

 前回WBC後の2013年シーズンはNPB歴代1位の60本塁打を放ったが、そのペースには遠く及ばない。同じくWBCに出場後に調子を落としていたチームメイトの山田哲人は調子を上げてきた。バレンティンも打率は.290と上向いてきただけに、本塁打の量産態勢に入ることを期待したい。

 バンデンハークは開幕から2連敗。エースとしての最低限の役割である6回を投げきることができず、連敗スタートとなった。

 その後、3勝2敗、防御率2.52と盛り返してきたが、昨季までに比べると、やや物足りない。WBCの疲労が影響しているのか。それとも3年目に入り、相手チームに対策を立てられたのか。日本一奪回のためにもエースの投球を見せてほしい。


■バレンティン(ヤクルト)の成績
35試合:打率.290/4本塁打/15打点

■バンデンハーク(ソフトバンク)の成績
6試合:3勝2敗/投球回35.2回/奪三振31/与四死球14/防御率2.52

メキシコ代表組の4人は?


 4人のNPB所属選手が参加したメキシコ代表。監督も日本球界経験者のエドガー・ゴンザレス(元巨人)ということもあり、親近感を持って応援した野球ファンも多かったことだろう。煩雑な「失点率」の解釈をめぐる混乱で、プレーオフ進出が発表された後に、1次ラウンド敗退となったのは残念だった。

 先発投手として参加したメンドーサ(日本ハム)は1試合のみの登板だったこともあり、ペナントレースでは大きな影響は出ていない。4月1日の初登板で勝利投手となってから勝ち星に恵まれていないが、5回を2、3失点程度に抑える試合が多く、試合は作っている。日本ハム打線が温まってきたので、勝ち星を伸ばしたい。

 「寿司ボーイ」ことレアード(日本ハム)は開幕直後こそ打率1割台と低迷したが、4月半ばから本塁打も量産し、打率も2割台半ばに乗せてきた。5月12日、13日のロッテ戦では日本タイ記録となる4打数連続本塁打。一気にパ・リーグの本塁打ランキング1位に躍り出た。チームに勢いを呼び、ファンを勇気づけている。

 開幕から好調の楽天で4番に君臨するアマダー(楽天)。なかなか調子が上がらず、5月に入るとスタメンを外れる日も出てきたものの、5月10日、11日のロッテ戦で2本塁打。楽天の強力打線のなかで、梨田昌孝監督がアマダーをどのように器用していくのか。その采配に注目したい。

 クルーズ(巨人)は外国人選手枠の問題もあり1軍での出場がない。マイコラス、カミネロ、マシソンの投手陣、そして主軸・マギーとの外国人枠争いに勝ち、1軍昇格をつかむことができるか。

■メンドーサ(日本ハム)の成績
6試合:1勝2敗/投球回31.2/奪三振27/与四死球15/防御率3.69

■レアード(日本ハム)の成績
35試合:打率.246/11本塁打/25打点

■アマダー(楽天)の成績
29試合:打率.217/4本塁打/14打点

■クルーズ(ロッテ)の成績
1軍出場なし


明暗分かれたカナダとベネズエラのリリーフ投手


 カナダ代表としてWBCに出場したマシソン(巨人)。巨人では例年通り、セットアッパーとして活躍している。開幕序盤こそ2試合連続で失点を喫したものの、ここまで11ホールド、防御率0.98と安定した投球を披露。新守護神カミネロにつなぐ役目を全うし、存在感を発揮している。

 一方、ベネズエラ代表のスアレス(ソフトバンク)はWBCで右ヒジを痛め離脱。その後、トミー・ジョン手術を受けた。これによって今シーズン中の復帰は絶望となり、ソフトバンクは中継ぎ陣の再編を余儀なくされた。

■マシソン(巨人)の成績
16試合/0勝0敗/11ホールド/投球回18.1回/奪三振19/与四死球4/防御率0.98

■スアレス(ソフトバンク)の成績
1軍出場なし


馴染み深いキューバ、台湾の4選手は?


 過去のWBCで日本と数々の激戦を繰り広げたキューバ。先の大会ではデスパイネ(ソフトバンク)が主砲を担い、打率.474、3本塁打の大活躍を見せた。

 昨季、ロッテに所属していたデスパイネは、WBC終了後にソフトバンクへ合流。2015年に長距離砲として活躍した李大浩(現ロッテ・ジャイアンツ/韓国)のような活躍を期待されている。ここまで打率.240と確実性にやや欠けるものの、リーグ2位の9本塁打を放っている。ひとまずは順調といえそうだ。

 陽岱鋼(巨人)の知名度もあり、日本の野球ファンにも馴染みの台湾。陽岱鋼は出場辞退したが、WBCにはNPB選手からチェン・グァンユウ(ロッテ)、郭俊麟(西武)、宋家豪(楽天育成)が出場した。

 チェン・グァンユウは中継ぎとして2試合に登板後、5月9日の楽天戦で先発。6回無失点の好投を見せ、今季初勝利を挙げた。防御率は1.00と安定している。

 しかし、郭俊麟は1軍、2軍ともに出場なし。宋家豪は2軍で6試合に登板して4勝を挙げているものの防御率は5.19。現状では、支配下登録のへ道は厳しい。なお、WBC辞退の陽岱鋼も未だに1軍での出場はない。

■デスパイネ(ソフトバンク)の成績
33試合/打率.237/8本塁打/26打点

■チェン・グァンユウ(ロッテ)の成績
3試合:1勝0敗/投球回9/奪三振5/与四死球5/防御率1.00

■郭俊麟(西武)の成績
1軍出場なし

■宋家豪(楽天※育成)の成績
1軍出場なし

(成績は5月13日現在)


文=勝田 聡(かつた さとし)

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