山?武司さんと乾杯!ほろ酔いプロ野球部!第2杯〜糸井と柳田は天才だけど、このままだとダメだ
【この記事の読みどころ】
・練習をしない糸井嘉男、デタラメに打つ柳田悠岐は天才
・でも、必ず『本当の打ち方』が求められる壁に当たる
・媚びを売って山?監督になっちゃダメ
糸井、柳田を待ち構える「打撃の神髄」
現役選手にまつわる質問も当然のようにいくつも飛び出した。中でも印象的だったのが、現在の球界においても異端の強打者、糸井嘉男(オリックス)、柳田悠岐(ソフトバンク)についてだ。
「糸井は全然練習しとらんよ。だって、天才だから。柳田? あんなデタラメなフォームじゃ、普通は打てないですよ。つまり、あいつも天才なんです」
▲身振り手振りを交え、打撃理論を解説する山?武司
「ただ、若いときはいいけど、グイグイいける期間は短い。必ず壁が来ます。その時に、『本当の打ち方』が求められる。そうじゃないと、晩年ダメになる。変身することができれば、長く活躍できる。恥ずかしながら、僕は20年かかりました。楽天行くまでは、『ただ振ればいい』と思ってましたから」
「山?監督」の道を自ら断った、中日移籍の真相
話は各球団の監督事情、そして山?自身の指導者への展望にまで及んだ。すると、本来であれば楽天の監督になっていたかもしれなかった「if」の野球人生について語り出した。
「腹立つことは一杯あったけど、振り返ると意味があることだった。楽天を退団する時も、『なんで俺が辞めなあかんのじゃ!』と思ったけど、首になったから中日に帰れたしね」
▲タブーなしで何でもしゃべる山?武司
「あのまま引退して、2年ぐらい2軍監督をやっていたら、今年あたり『山?監督』になっていたかもしれない。でも、違うじゃん! 自分の魂を売ってまでもやっちゃダメだし、後輩たちにあれだけ厳しく接してきた男が、野球を辞めるときになって媚びを売る姿を見せちゃいけない。だから、説得されたけどスッパリ辞めました。レールに引かれて走る人もいれば、俺みたいにすぐ反対方向を向く人もいる、ということです」
■プロフィール
山?武司(やまさき・たけし)/1968年生まれ、愛知県出身。愛工大名電高時代に通算56本塁打を放つなど強打の捕手として名を馳せる。ドラフト2位で中日に入団。長い低迷期を経て、1996年に松井秀喜(当時巨人)を抑え、本塁打王を獲得。広いナゴヤドームに移った後も、持ち前のパワーを生かした打撃で結果を残す。その後、オリックス、楽天、中日と移籍。楽天では2回目の本塁打王、40歳代で通算100本塁打など、再ブレイクを果たす。2013年シーズンを最後に引退し、現在は野球評論家などで活躍している。
■ライター・プロフィール
オグマナオト/1977年生まれ、福島県出身。広告会社勤務の後、フリーライターに転身。「エキレビ!」、「AllAbout News Dig」では野球関連本やスポーツ漫画の書評などスポーツネタを中心に執筆中。『木田優夫のプロ野球選手迷鑑』(新紀元社)では構成を、『漫画・うんちくプロ野球』(メディアファクトリー新書)では監修とコラム執筆を担当している。近著に『福島のおきて』(泰文堂)。Twitterアカウントは@oguman1977(https://twitter.com/oguman1977)
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