【2017夏の高校野球】《富山観戦ガイド》有望選手と大会展望&地区勢力ピラミッド
力強い森に続いて2年生有望投手も登場
実力派投手に刺激を受けて台頭した高畑
投手編 〜力で押せる森が高評価〜
県内随一の力投型右腕として注目を集めるのが森圭名(富山第一)。その潜在能力の高さは昨夏の甲子園でも実証済み。昨秋も準々決勝、3位決定戦でいずれも14三振を奪い、地力を見せつけた。しかし、右ヒジ痛を発症した今春は県大会での登板を回避し、チームも初戦敗退。「あの馬力は魅力」とNPBスカウトも評価する投球を取り戻し、本領を発揮できるか?
センバツ出場の原動力となった高岡商の左右の両輪・土合伸之輔、伏見拓真はさらに進化。特に土合は春季県大会準決勝で8回参考ながら完全試合を達成した。さらに同校の2年生左腕・山田龍聖が一気に台頭。140キロを超える威力満点の投球で、春季県大会では驚異の奪三振率15・95をマークし
た。「順調にいけば来年のドラフト上位候補」とNPBスカウトを唸らせている。
左の山田に対して次世代の富山を背負う2年生右腕の一番手が沢田龍太(富山商)。すでに140キロ近い球速を出すが、打席に立つと、その投球以上の力感が際立つ。評価は急上昇中で山田とともに来年のドラフト戦線に浮上してくるだろう。
1年秋に北信越大会で完投勝利を挙げた左腕・元田晃介(富山商)、最速144キロを誇る杉下裕哉(氷見)は最後の夏に真価を発揮したい。昨秋、チームを36年ぶりの北信越大会出場に導いた佐々木創野(富山東)、今春の富山第一戦の2失点完投勝利で一躍脚光を浴びた南晃良(小杉)、今春に公式戦初完封勝利を挙げた北野剛志(砺波工)、竹田大亮(呉羽)、堀田大成(桜井)、捕手から転向1年にして本格派右腕の素質を開花させつつある松原快(高朋)らの投球もマークしておきたい。
野手編 〜急成長中の高畑に注目!〜
本命不在といわれる野手陣から頭角を現してきたのが高畑光生(高朋)だ。身長171センチながら、持ち前のスイングスピードとインパクトの瞬間に力を集約できる天性の感覚を武器に、高校通算30本塁打以上を積み上げる。今春の県大会でも効果的な2本塁打を放ち、チーム初の4強進出に大きく貢献した。その高畑とともに高朋の躍進を支えた柏木史也は、強肩と高い守備力を兼備した好捕手。今春は打撃での高い対応力もアピールした。柏木と双璧の捕手が中島幹太(富山国際大付)。1年夏から実力校の正捕手を担い続け、存在感を誇示。ともに捕手としての感性をどう磨いていけるかがさらなる飛躍へのカギとなる。
中軸打者として県内無敵のチームを支える島村功記(高岡商)、自慢の打力で進学校を牽引する山形直輝(富山)ら右の強打者に、今春の決勝で4安打4盗塁をマークした伊藤洸紀(高岡商)、サヨナラ打を含む活躍が印象深い関原健人(高岡第一)、攻走守揃った小西神音(砺波工)などの有望外野手も主役の座を狙う。
貴重な右の大砲候補として嘱望される石橋航太(富山商)、早稲田実との練習試合で本盗を成功させるなど県内随一のスピードを誇る酒井啓佑(魚津工)、シュアな打撃が光る上野亘(富山国際大付)、今春のセンバツで県勢初本塁打を放った筏秀生(高岡商)ら実力派2年生たちのプレーも必見だ。
大会展望 〜大本命・高岡商が夏も独走か?〜
今春センバツ出場の高岡商が他校を大きくリードする。左右の両輪・土合、伏見に加え、2年生左腕・山田の台頭で投手陣は盤石。切れ目のない打線に機動力も加わり、県勢31年ぶりの甲子園春夏連続出場に挑む。2番手以降は大混戦。春準Vの砺波工に富山商、高岡第一、富山国際大付、富山第一ら実力校が横一線。今春ともに初の県大会4強入りを果たした高朋、呉羽。センバツ21世紀枠北信越候補の富山東に新湊、桜井、高岡向陵、高岡、氷見らも虎視眈々と上位進出を狙う。
野球太郎 No.23
「2017夏の高校野球&ドラフト特集号」
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